ネタバレ

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エヴァはポニョで完結する【妄想】

シン・エヴァンゲリオンシリーズを見終わって感じる、とてつもない残尿感、いろいろ伏線を張り、謎をちりばめ、さてどうなるかと、話は進むが、結局はシンジ君がアバババーと半狂乱になり、地球をボカーンと破滅させるという、あの、いつもの流れとなる。  庵野監督が表現しようとしながら、いつもうまくいかないのが、人類補完計画のところだと思う。碇ゲンドウがアレを始めると、もうアニメ自体が、めちゃくちゃになり、綾波がぼわーんと膨らみ始めて、中身がなんにもないシーンが延々と続くことになる。  そう思っているのは私だけではなかった、〝あの男〟もそう思っていたのです。あの男とは、アニメ界随一気むずかしい老人、宮崎駿監督...
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シン・エヴァンゲリオン劇場版、を見た【ネタバレ注意】

ネタバレ注意  すべての映画は予備知識無しで見るのが一番いい。予告編も見ないほうがいい。ネタバレなんてとんでもない。だからこれからシン・エヴァンゲリオンを見ようという人は、これ以上読むな、去れ。すでに見た人だけ、くだを巻く、ひきこもりおじさんの妄言を読みたまえ。 感想  退屈だった。TVアニメ、旧劇場版、新劇場版、全部見てきましたが、その中でナンバーワンの退屈さでした。上映時間そのものが2時間35分と長いというのもありますが、体感的にはもっと長くて、もう終わりだろと思って腕時計を見たら、あと1時間くらいあった。 映画館の様子  客のほとんどがアニメおじさん、30代後半から40代が中心。恋愛シミ...
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ファイアーエムブレム風花雪月には教養がない 【ネタバレ】

ライフワークであるファイアーエムブレムシリーズの最新作、「風花雪月」をやりました。いろいろ思うことはありますがが、一点、やはりストーリーの倫理観のなさが、ただただ不快でした。  やったことない人のために簡単に説明をすると、第一部は学園モノとなっていて、自分は教師となり、3つのクラスからひとつを選んで担任となり、そこの生徒たちを育成する。そして第二部へと進むのですが、信じられんことに、  戦争とはこういうもの、という理由で他のクラスの生徒をほぼ全員殺していきます。避ける方法はない、仲間にすることはもちろん、見逃すこともできません、だって殺すことがゲームの勝利条件なのですから。いかがなものでしょう...
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僕は登校拒否児である、を読んだ

知っている人はよく知っているが、知らない人はまったく知らない、児童精神科医の故・渡辺位(わたなべ・たかし)氏の正体が書かれている本です、小泉零也著『僕は登校拒否児である』、でも別に渡辺氏の話がメインではありません、不登校や学校教育のあり方を問う自叙伝であり、ポエム集であったりするのですが、やはり一番パンチが効いているのが、渡辺位氏にまつわるエピソードです。  著者の小泉零也氏が子どもだった頃、千葉県の国立国府台病院に通うことになるのですが、そこで担当医として待ち構えていたのが、児童精神科医渡辺位こと、悪魔のワタナベでした。  ワタナベは頭痛を訴える小学生だった著者に、頭痛薬と称して〝抗精神病薬...
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「山奥ニート」やってます。を読んだ

2回読んだ、おもしろかった。村人全員R80の超限界集落で、原田知世うたうところの天国にいちばん近い村で、マウンテン・ニートが15人も集まって生活しているのですからな。  ヘンリー・デイビット・ソロー『森の生活』は2年間、マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』のは1年間。山奥ニートは5年間やっていて、しかもまだ継続中です。  私は縁があって、山奥ニートがまだいなかった頃の共生舎も知っています。当時の代表であった山本さん(敬意を込めて翁と呼ばしてもらいます)の思想を、この本で初めて知ることができました。俺要約すると、 「人には自分にあった履物がある、靴に足をあわせるんやない、昔わら...
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書評『三人姉妹』

「モスクワへ、モスクワへ」と三人姉妹がただ言い続ける作品(戯曲)。読んでない人はまさかそんなはずはないと思うかもしれないが、読んだことのある人なら、当たらずといえども遠からずと思っていただけるのではないか。  井伏鱒二や太宰治も大好きだったロシアの文豪チェーホフの四大戯曲のひとつです。アイドルも舞台で演じています。そういうきっかけがなければ、誰も読まない作品だと思う。三人姉妹より、『桜の園』のほうが有名だけど、あえて三人姉妹を取り上げます。  両作ともつまんないけど、桜の園がつまらないのには理由がある。主人公の貴族たちが没落していく一番の理由が、農奴制度(奴隷制度)の廃止だからです。主人公たち...
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書評『回想の太宰治』

津島美知子『回想の太宰治』がおもしろい。内容を一言でいうなら、太宰おちょこ伝です。  その前に、読書人たるもの、作家の書いた小説を読むべきです。作家がどういう人だったとか、作品の舞台裏とか、そんなことは関係ないはず。が、作家が故人であると、もう新しいものを読むことはできないわけで、ファンとしてはこういう回想録に手をだしてしまうのもしかたがないこと、と言い訳をしておきます。  太宰の本妻が書いただけあって、しみじみと太宰の器の小ささを後世に伝える、いい逸話がたくさん書いてあります。そのなかで、私の心にいちばん響いたのが、太宰の〝ケチっぷり〟です。  太宰は小説のなかで、自分は吝嗇だ、ケチだという...
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いまさら『砂の器』を読んでみた

太宰治と同い年、松本清張先生の代表作と言えば『砂の器』ですよね(あと『点と線』)。みんな名前くらいは聞いたことあるでしょう。映画にもなっているくらいだから、おもしろいはず、名作にちがいないと、ずっと思っておりました。  いつか読もうと思いつつ、今まで読まずにいた一冊、その『砂の器』をついに読みました。以下、ネタバレの感想です。これから読もうと思っている人は読まないでくださいね。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓  ハンセン病に対する差別問題に切り込んだ社会派ミステリー、と信じて読み始めたのですが、そんなんじゃない。『砂の器』はトンデモ推理小説です。とくに最後のトリックがひどい。犯人が殺人に使った凶器はな...
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5分でわかる「金持ち父さん貧乏父さん」

いにしえのベストセラー『金持ち父さん、貧乏父さん』を読んでみたくなりました。それはマルチ商法にひっかかる頭の弱い人のバイブルになっているという噂を聞いたからです。  でも昔の本なのにかかわらず図書館では全部貸出中、しかも予約が14件も入っているという人気ぶり。でも、いまさら新品も買うというのも悔しいから、諦めていた、つまり読んでいなかった。でもようやく古本で手に入れることができました。  読んだ。いかがわしかった。きなくさいにもほどがある。「わたくしは詐欺師でございます」と著者のロバート・キヨサキ氏が自白しているとしか思えない。  キヨサキ氏の主張をひとことで言うと、「現金を持っとるなんてアカ...
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クソゲー・ファイアーエムブレムif 暗夜王国・ネタバレ

ライフワークである、ファイアーエムブレムの最新作。ポケモンや妖怪ウォッチのようにふたつのバージョンで発売されました。暗夜王国バージョンのほうが難易度が高いという説明だったので、暗夜を買いましたぞ。  ゲームのシステムは前作よりいいのだが、ストーリーがひどい。主人公が、平和な国を攻め、罪もない人を殺していく。捕虜を殺すことから物語は始まり、母親を殺し、いよいよ平和な国を侵略する。ファイアーエムブレム史上というよりは、ゲーム史上最悪のストーリーです。  戦争というのは正義と正義の戦いのはずですが、暗夜王国には歪んだ正義すらない。「殺せい」という王の命令で殺す。カルト教団でもない。ただ「殺せい」であ...
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読まずに語る、「下剋上受験」の人生のしくみ全否定

※桜井信一氏からの削除の申立てに配慮し、一部内容を削除変更しました。(2015/03/16)  ごちそうだよ、中卒の父親が、親塾こと家庭教師となり、娘と一緒に勉強しながら難関中学に挑戦する(結果は第1志望は不合格)ドキュメンタリーブログが、「下克上受験」という本になり、発売中とのことです。偶然、ここのニュースサイト→「中卒の父、娘と難関中学に挑戦「下剋上受験」 壮絶な勉強記録 ブログが人気に 」で知りました。さあ、ご紹介しましょう。 ↑※ニフティからの指示にしたがいモザイク画像を変更しました。(2014/12/04) ※塗りつぶし画像に変更。(2015/03/16)  「人生のしくみ」←ここを...
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ベルウィックサーガ万歳革命

テレビゲームなんてやっている暇がない。そんふうに心に焦りがある時こそ、あえてやってやろうと、しばらく封印していたベルウィックサーガを再開して、ついにエンディングまでたどり着きました。42歳のおじさんのおじさんがゲーム漬けとは情けない、そんな暇があるなら働けと言われても仕方がないのですが、でもベルウィックサーガをクリアしようと本気で決心したなら、仕事なんか辞めてゲームに専念する必要がある、それくらいの高難易度です。 基本的にファイアーエムブレムの元育ての親、K氏が作ったパクリゲームです。シュミレーションRPGと呼ばれるジャンルのゲームで、ドラゴンクエストと、信長の野望の合戦場面が、合わさったよう...
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追伸・瀬戸内寂聴のケータイ小説「あしたの虹」

瀬戸内寂聴のケータイ小説でのペンネーム、“ぱーぷる”について私は大きな勘違いをしていました。ぱーぷるという言葉の響きが、かわいいからという理由で選んだのだと思っていましたが、源氏物語の作者「紫式部」の紫の部分を英語にするという、ダジャレであると、職業訓練中にハッと気がついたのです。ダジャレGメンとしては悔しくてなりません。目の前で堂々と万引きしているのに気づかずに見逃してしまった気分です。寂聴先生は、今頃、ぺろりと舌を出し、エッヘッヘッと笑っているに違いありません。  主人公ユーリの恋人の名前も、光源氏のダジャレで「ヒカル」です。つまり寂聴自身が紫式部で、ケータイ小説が現代版・源氏物語というわ...
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瀬戸内寂聴のケータイ小説「あしたの虹」

生臭い尼さん、瀬戸内寂聴先生が匿名でケータイ小説を書いたというニュースは皆さんもご存知のこと思います。無視していたのですが、ネットサーフィン(死語)をしていたら偶然発見してしまいました。これも定めなのかもしれません。   ペンネームは「ぱーぷる」です。いかがなものでしょうか。私は一発でやられてしまいました。悔しいですが、数ある日本語から「ぱーぷる」を選び出すセンスに負けてしまいました。ちょっとだけ読んでみましょう。  『あしたの虹』、86歳の尼であり小説家、ぱーぷるが書いた、初のケータイ小説です。女子高校生のユーリが主人公。文章からは、セーラー服を着た瀬戸内寂聴先生しか想像できないのですが…。...
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書評『21世紀への階段』(3)

60年前に発売された科学技術省監修の未来予想本『21世紀への階段』、第三章の見出しは長命の退屈。21世紀は長生きの世紀と予想している。この第三章まるごと予想大当たりなのです。長寿、高齢化社会、成人病は増える、精神病も増える、臓器移植も出来るようになる、アレルギー病が目立つ、漢方が再評価されると、もう医学は正しく進歩したとしかいいようがない。予想した専門家も、それを実現した21世紀人も立派だ。  人工心臓などの人工臓器が出来るとも書いてある。当たっているんじゃないの。ただその人工の臓器のイメージがちょっと違う。右下は21世紀の人々が人工心臓や人工胃をポケットに入れている、という絵。うーん、ミキサ...
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書評『21世紀への階段』(2)

人類は正しく進歩しているのだろうか。20世紀の知識人たちが書き記した科学技術庁監修の『21世紀の階段』という本を読むと何となくそれが分かる。第二章のタイトルは「人間代用品量産に入る」だ。人間の代用品? それはロボットでありコンピュータのことなんす。労働からの解放という見出しが目を引く。20世紀の知識人が描いた未来の日本では、21世紀の人類は労働から解放されていなくてはいかんのです。まあ、私みたいな解放人も例外としているにはいるけどね。  本の中の21世紀はオートメーションの時代。機械が自動でやってくれる時代で、人間はスイッチを押して、出来上がったものを取り出すだけ。なにもかも電子レンジ、ああい...
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書評『21世紀への階段』(1)

ひきこもりはいつだって未来のことばかり考えさせられている。将来どうするんだ、親が死んだらどうするんだ、ホームレスになるぞと心無い人間に脅され、未来のことばかり考えている。でも未来というものは科学者や政治家という人たちこそが考えることなのではないだろうか。責任逃れし、負の遺産を子どもに押し付けてばかりではいかんのです。  21世紀への階段という本がある。1960年、今から60年前に科学技術庁が監修発売した本格的未来予想本です。SFではない、科学者、技術者、政治家が40年後の21世紀の日本はこうなってしかるべきということを書いたものです。そこには21世紀の理想の姿、正しい科学の進歩、豊かな社会、人...