書評

よもやま話

僕は登校拒否児である、を読んだ

 知っている人はよく知っているが、知らない人はまったく知らない、児童精神科医の故・渡辺位(わたなべ・たかし)氏の正体が書かれている本です、小泉零也著『僕は登校拒否児である』、でも別に渡辺氏の話がメインではありません、不登校や学校教育のあり...
よもやま話

「山奥ニート」やってます。を読んだ

 2回読んだ、おもしろかった。村人全員R80の超限界集落で、原田知世うたうところの天国にいちばん近い村で、マウンテン・ニートが15人も集まって生活しているのですからな。 ヘンリー・デイビット・ソロー『森の生活』は2年間、マーク・ボイル『...
ひきこもり

怠け者になりなさいの思想

 水木しげる先生の思想を誤解していました。「怠け者になりなさい」という先生の言葉を私は、がんばらなくてもいいんだよ、自分のペースで生きていけばいいんだよ、そんなありがちなメッセージのひとつと解釈していたのです。が、水木先生のエッセイを読ん...
よもやま話

書評『自立へ追い立てられる社会』の第15章

 『自立へ追い立てられる社会』の15章「教育支配からの逃走、戦略はゾミアが知っていた」伊藤書佳、を読んで語る、よもやま話です。 金井康治。たぶん誰もしならないだろうけれど、金井闘争の当事者です。金井闘争とは、金井くんが養護学校はイヤだ、...
よもやま話

書評『三人姉妹』

「モスクワへ、モスクワへ」と三人姉妹がただ言い続ける作品(戯曲)。読んでない人はまさかそんなはずはないと思うかもしれないが、読んだことのある人なら、当たらずといえども遠からずと思っていただけるのではないか。 井伏鱒二や太宰治も大好きだっ...
よもやま話

書評『回想の太宰治』

 津島美知子『回想の太宰治』がおもしろい。内容を一言でいうなら、太宰おちょこ伝です。 その前に、読書人たるもの、作家の書いた小説を読むべきです。作家がどういう人だったとか、作品の舞台裏とか、そんなことは関係ないはず。が、作家が故人である...
ひきこもり

告知『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』

 只今発売中の『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』林恭子・斎藤環編に、私もちょろっと書いております。 自分の文章って、書いてからしばらく経つと恥ずかしくなるので、どうしても読めないかったのですが、現実逃避して見本誌を放置しておくのも...
よもやま話

書評『走れメロス』

 太宰治が、走れメロスを書くきっかけになったのが、熱海事件といわれるものです。 どういうものかというと(細かいところは省略します)、旅行で借金をつくった太宰が、親友である檀一雄を借金の人質として旅館に残し、東京に金策にでかけました。だけ...
よもやま話

書評『お料理一年生』

 これ一冊で、すべての料理をつくってきました。そして20年間、ずっと一年生のままです。ネギは茹でて食べるのか、それとも生で食べるのか、それすら分からないレベルの人向けの料理実用書であります。「塩少々」と言われても、具体的にどれくらいの量...
よもやま話

いまさら『砂の器』を読んでみた

 太宰治と同い年、松本清張先生の代表作と言えば『砂の器』ですよね(あと『点と線』)。みんな名前くらいは聞いたことあるでしょう。映画にもなっているくらいだから、おもしろいはず、名作にちがいないと、ずっと思っておりました。 いつか読もうと思...
よもやま話

5分でわかる「金持ち父さん貧乏父さん」

 いにしえのベストセラー『金持ち父さん、貧乏父さん』を読んでみたくなりました。それはマルチ商法にひっかかる頭の弱い人のバイブルになっているという噂を聞いたからです。 でも昔の本なのにかかわらず図書館では全部貸出中、しかも予約が14件も入...
よもやま話

読まずに語る、「下剋上受験」の人生のしくみ全否定

※桜井信一氏からの削除の申立てに配慮し、一部内容を削除変更しました。(2015/03/16) ごちそうだよ、中卒の父親が、親塾こと家庭教師となり、娘と一緒に勉強しながら難関中学に挑戦する(結果は第1志望は不合格)ドキュメンタリーブログが、...
よもやま話

本を紹介 俺書評『超ウルトラ原発子ども』と『かわいい手紙』

超ウルトラ原発子ども ばーん。ゴリゴリの反原発読本が20年の時を経て、重版されます。著者の伊藤書佳さんは、私の本の編集者です。不安を煽るな! そんな言葉は通用しません。チェルノブイリ、内部被爆、石棺、鉛、コンクリート、槌田敦、と不安を煽...
よもやま話

追伸・瀬戸内寂聴のケータイ小説「あしたの虹」

 瀬戸内寂聴のケータイ小説でのペンネーム、“ぱーぷる”について私は大きな勘違いをしていました。ぱーぷるという言葉の響きが、かわいいからという理由で選んだのだと思っていましたが、源氏物語の作者「紫式部」の紫の部分を英語にするという、ダジャレ...
よもやま話

瀬戸内寂聴のケータイ小説「あしたの虹」

 生臭い尼さん、瀬戸内寂聴先生が匿名でケータイ小説を書いたというニュースは皆さんも知っていると思います。無視していたのですが、ネットサーフィン(死語)をしていたら偶然発見してしまいました。これも定めなのかもしれません。  ペンネームは「...
よもやま話

書評『21世紀への階段』(3)

 60年前に発売された科学技術省監修の未来予想本『21世紀への階段』、第三章の見出しは長命の退屈。21世紀は長生きの世紀と予想している。この第三章まるごと予想大当たりなのです。長寿、高齢化社会、成人病は増える、精神病も増える、臓器移植も出...
よもやま話

書評『21世紀への階段』(2)

 人類は正しく進歩しているのだろうか。20世紀の知識人たちが書き記した科学技術庁監修の『21世紀の階段』という本を読むと何となくそれが分かる。第二章のタイトルは「人間代用品量産に入る」だ。人間の代用品? それはロボットでありコンピュータの...
よもやま話

書評『21世紀への階段』(1)

 ひきこもりはいつだって未来のことばかり考えさせられている。将来どうするんだ、親が死んだらどうするんだ、ホームレスになるぞと心無い人間に脅され、未来のことばかり考えている。でも未来というものは科学者や政治家という人たちこそが考えることなの...
ひきこもり

人格改造マニュアル

 何度も繰り返し読み、影響を受けた本。人の脳にはいろんな能力があるわけだです、学校や会社で必要とされる力はちょっとだけ。思考力とか創造力とかいらない。人に本来備わっている、生きるのに必要な能力(脳力)を出している暇なんてない。疲労感を脳に...