書評『自立へ追い立てられる社会』の第15章

 『自立へ追い立てられる社会』の15章「教育支配からの逃走、戦略はゾミアが知っていた」伊藤書佳、を読んで語る、よもやま話です。

 金井康治。たぶん誰もしならないだろうけれど、金井闘争の当事者です。金井闘争とは、金井くんが養護学校はイヤだ、障害があっても普通学校に通いたいと主張するも、学校に拒否されて通えない、それにもめげず自主登校という形で無理やり学校に行くも、文字通り門前払いをくらい外で立ち尽くすという、そんな40年くらいまえの闘争のことです。金井くんは、当時小学生。

 そのあと小学校には行けなかったものの、中学校からは普通学校に行けるようになります。でもそこで待っていたのはクラスメイトからの「ぜんめんむし」です。金井康治くんは登校拒否をします。

 金井康治くんはいじめを、個人の問題とはしませんでした。生徒に点数をつけて振り分けて競わせる、その反動からいじめがおきるんだ。人材育成、国や企業にとって役に立つ人材をつくる場としての学校は、ないほうがいいと考えていたのです。

 しかし金井闘争の意味を、介護者は理解していなかったようで、金井康治くんが求められるのは、人材育成の場になじむための努力なのです。せっかく普通学校に行けるようになったんだし、学校になじむよう、本人にはもっとがんばってほしいと、まわりの人は金井康治くんの〝努力不足〟に不満なのです。なんだか身につまされる話ですのう。

 小泉零也。金井康治くんの次は、小泉零也さんの話ですが、誰も小泉零也さんを知らないと思うので説明すると、元登校拒否児で、精神病院に強制入院させられた経験を持つ、40年くらいまえ(?)の不登校アウシュビッツ時代の生き残りです。ちなみにその時の担当医は知る人ぞ知る渡辺位、まだ改心する前でしたから、子どもたちをびしびしと治療をしておりました。そんな小泉零也さんの著書『僕は登校拒否児である』はまだ発売されていないので読めないのですが、この章ではごりっと引用されております。

 ゾミア。最後はゾミアの話です。といっても多くの人が知らないと思うので説明しておくと、ゾミアとは、山の中で国家の支配から距離をとって暮らしている民族集団のことです。税金なんて払わず、必要とあらば山の中を転々と移動して暮らす人たち。

 金井康治→小泉零也→ゾミア。これがホップ・ステップ・ジャンプとつながって、濃縮され、ひとつの論になっているのですが、もうキーワードを説明(還元)しているだけで随分と文章が長くなってしまいました、これにて終わりとさせていただきます。あとは自分で読んでくださいね。


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