9060問題

 高校を中退してから30年近くもぷらぷらして、定職にもつくことなく、ひきこもり生活をしてまいりました。が、ここにきて、8050問題という言葉のせいで、50歳に満たない、年齢の足りてない、若手ひきこもりの扱いを受けるはめになったのです。このベテランの私が、年齢不足なのです。20代、30代のひきこもりなんて、子ども扱いですよ。

 でも、こういう状況になることはある程度予想していました。ひきこもり問題というのは月日が経つにつれてうやむやになり、新たなゴールがかっこ”未来”に設定されるという歴史を繰り返しているからです。1990年代、まだひきこもりという言葉もなかったころ、一般的な感覚では25歳までに正社員になれというのがひとつのラインでした。会社員、公務員とかの新卒採用の年齢の上限がだいたいそれくらいだったからです。そして25歳を過ぎて正社員になれなかったら、まっとうな人生からの脱落という意味で、お終いでした。

 でも2000年頃から、社会的ひきこもりという言葉が普及してきて、ひきこもりは若者の問題だとなってきました。若者というのは10代、20代のことです。お終いの締切りが、30歳くらいまでに延長されたのです。私もなんとなく30歳までには自分の人生をなんとかしたいなあ、と思っていましたが、思っているだけで、いとも簡単に30歳は過ぎていったのです(私だけでなく、すべてのひきこもりが楽々と30歳を越していったと信じています)。

 30歳を過ぎて、私の人生は完全に終わったと思いました、これからは精神障害者として福祉とともに二人三脚で生きていこうと心に決めて、実際そのように生きていくことにしました。そして2006年のことです、突然「ニート」という言葉が生まれ、若者の定義が、34歳まで引き上げられました。それに合わせるかのように、ひきこもり地域支援センターなどの対象年齢も39歳までとなりました、39歳でも青少年なのです。何度お終いだと思っても、世の中が私を追いかけ、追い越していくのです。きっと「やればできる子」ということなのでしょう、明らかに若者でないおじさんも、若者支援の対象として就労支援が勧められる世の中になったのです。

 40歳になって若者支援も卒業。これでもう社会問題の当事者ではなくなってしまった、ロートルだ、そう思っていたところに現れたのがひきこもり高齢化問題なのです、通称8050問題。どういうことでしょう。社会問題としてのひきこもりというのは実質、5020問題から始まって→6030問題→7040問題→8050問題と、私に合わせてスライドしているのです。この方式を当てはめるなら、次にくるのは「9060問題」であることは疑いもない事実です。まあ、未来のことはともかく、ひきこもりに関して言えば、50歳までは執行猶予ということになりました。悩むのは50歳になってからでよいですぞ。

 


この記事へのコメント

  1. 長寿化が著しい現代、10070問題もありえますね ・・・あれ?なんか違いますかね???

  2. こんばんは。
    なんとな~く病院の就労支援デイケアに通って、一瞬で1年近くたって、特に何もないまま今年三月で気が付けば30・・・。
    引きこもり問題の歴史を見ていくと、本当に「問題」として考えているのか疑わしいですね。甘えだなんだと、だらだら文句を言うだけ言って、特に状況が変わっていないという・・・。
    引きこもり問題を本気で解決しようとしたら、半分は当事者が重い腰を上げて、もう半分は社会の側が「根性無し、ダメ人間、あんまり働きたくない人」でも務まる居場所を作るしかないんじゃないかと思います。
    さっきもYahoo!ニュースで「若者の22%がニート!」なんて煽り立ていましたが、逆に考えると、それだけ豊かになったとも言えます。それで問題なく社会が回っているのですから、大したものです。あれ?自分て必要なのかな?と思うくらい問題がないです。今日も回っていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です