待つことが、心の毒だということを知りました。待てば待った分だけ、確実に心がすさんでいく。待ってはいけない。幻の本「安心ひきこもりライフ」が出版中止になったあと、ひきこもりとは思えないくらい精力的に、出版社への原稿の持ち込みをしています。なにより、本が出ないのに出版記念イベント講演会を、5回もやってしまった男です。そしてはっと気付いたのです。
イライラするのも、他人に対してむかつくのも、「待つ」のが原因なのです。原稿を出版社に持ち込んだり、郵送したりする、そのあとじっと待つ、これがよくない。待つの裏には必ず、いい結果を期待している心があるのです。期待しちゃいけない、だめもとだとか言っていても、ひょっとしたら神風がふと思っているのです。本当にだめだと確信しているなら、そもそも原稿など送らない。もしかしたら……と自分にとって都合のいい知らせを待つとき、怖ろしいほど人間の心はすさんでいきます。目が濁り、肌はつちいろ、たえずイライラして、嫌なあの野郎が死んでしまうことばかり考えて過ごすようになります。
悪い結果がストレスになるだけじゃない。いい結果を期待して待ちはじめた時点で、毒としか言いようがない苦しみにさらされる。希望はかなわないことのほうが多いですから、待つことは苦しみに等しい。
ひきこもりの親が、ひきこもり専門家に聞かずにはいられない質問、子どもをいつまで待てばいいのか? 何年待てばいいのか? と全身から黒いオーラを出して聞く例のアレです。自分が待つ立場になって、この餓鬼と化した、ひきこもりママン&ダディの気持ちがよく分かりました。待つという毒にやられてしまったのです。自分の期待する結果の大きさに潰されて、どうにもならない愚痴をこぼしながら餓鬼道に堕ちてゆくのです。
待っている間は、確実に不幸です。ひきこもりだけじゃくても、例えば受験生でも、就職活動をしている人でも、待っている間は不安なはずです。絶対受かっていると確信があっても、万が一に怯えているはずです。合格を期待しているからこその不安であり、恐怖なのです。就活も、採用されるのを期待するから苦しいのです。
ひきこもりが社会に出て、学校に行って、会社に行って、普通に生きていく。こんな壮大な良すぎる結果を期待して待つことが、どれほど人間の心を腐らせてるか! 想像するだけでも怖ろしいですな。雨が降るのをまってずっと空を見上げているお百姓さんのようなものです。どんなに空を眺めていても雨が降るか降らないかは誰にもわからない。ひきこもりも同じだと思います。
待つのをやめる。いい結果を期待しない。お百姓に出来ることは自分の畑を耕すことと、自分の畑に種を蒔くこと。だから結果は待たず期待せず、知り合いに紹介してもらった出版社に連絡しては、原稿を送る、これだけをもくもくと繰り返しています。耕して、蒔いて、耕して、蒔いて。収穫のことを考えるのは実がついてからで、充分間に合います。今日一日そこそこやって、それでおしまいです。
コメント
待つより♪仕事は、
攻めの姿勢~♪(*^^*)
しかし、
子供達の事は♪
いつまでも、待ちます♪
ゆっくり♪
足を踏みしめて欲しい♪
人生も♪夢も♪将来も♪…
ゆっくり♪踏みしめて♪
よしっ、と励まされました。でも誰だ? ジョン・クルーゼとは。
グーグルを検索しましたが、発見できません。
実在するんでしょうか。
英国の小説家ジョン・クルーゼは、564冊の本を出版しました。でも、彼はその前に、出版社に原稿を持ち込み、753通の断り状を受け取ったそうです。
名人よ、諦めるなかれ!!!
加島祥造、もちろん読んでますぞ。
タオの精神でございます。
私も本が出版されない、出版記念講演会を
自分がやることになるとは、当日まで信じたくなかったですよ。
ホントだ、通販は待つ間だけが幸せ。
待つ方、待たせる方、どちらも苦行ですな。
待つ期間が楽しく感じられるのは、ネット通販で
商品が届く間の気がします。
待っている間が長ければ期待感が増幅して、
そのほとんどが期待はずれに終わっている。
ことに人間が相手の問題だと。
ほんと心が毒される。
待たせている相手にも申し訳なく思います。
もう、なんだかよくわからないけど
涙が出そうです…。
悲しいんじゃないんです。
講演会に行くまで私は本は出版されたものとばかり思っておりました。
煩悩だらけの私ですが勝山さんを励ましたい気持ちでいっぱいです(泣
住所を教えてくれたらバレンタインチョコを送りたい気分です。でも、幸せの黄色いハンカチをくいしばって我慢することにします。
勝山名人に絵葉書をめぐんでいただきました。感動しました。
名人、苦難の時こそ加島祥造の本ですよ!
泣ける、泣けるコメントだ。寿命が10年伸びた。
人を励ます言葉の大事さを思いしりました。さんきゅう。
ひきこもりカレンダーに続く、
俺たちの経典・安心ひきこもりライフが
出版中止になった後も、
かっちゃんは精力的に動いている。
そして待つことは心の毒だと言う。
おいらたちだって、新刊が出るのと、
かっちゃんのブログの毎回のアップを
いつだって待っている。
でも何も苦しんだりせずに
何時だって楽しみにして待っているよ。
かっちゃんの言葉や文章が期待を裏切った
ことなんてないからね。
かっちゃんの原稿は、
本来、持ち込んだりするもんじゃなく
大手出版社が、
ロイヤルビップ対応で
三顧の礼を以って受けとりに来るものであることは明白である(少なくとも我々、コアなファンにとっては)。
なにしろ、早々の出版決定の朗報をお待ちしております。
ちきりんとは、グーグルで検索したところ
人気のブロガーとのことです。初めて知りました。
2/5は新ひきこもりについて考える会に行くけれど
別に講演はしないですよ。巡礼ツアーは
本が出たあとに、再会する予定です。
さんきゅう。待つのは毒ですよ。でも期待してしまう。
ひきこもり煩悩の火を消さないと。
勝山さんには哲学がある。
これが、見ていて身につまされるのに、なぜか読了後は一服の清涼感があるように思う。
かっちゃんは、やっぱり最高だよ!
今回の記事を読んで名人の著書にあった言葉を思い出しました。
『耐えている間は確実に不幸なんだ』。
あてにならない自分の記憶なので間違ってたらすみません。
ところで来る2月5日にどこかで講演会をするのですか。よろしければ場所を教えて下さい。
ちきりんさんに向かって一言お願いします。