ひきこもり幸福論〈5〉

 生きづらいと感じるくらいでちょうどいい。生きやすさを感じてしまうようなら、躁状態であって、それは治癒すべきです。なんかやろう、すぐにやろう、そんな気持ちは病気です。やらなくていいことをやらない、それだけで人間国宝に値します。

 気分には浮き沈みがありますが、気分が浮いてきたら躁状態になってきたなと警戒すべきです、気分が沈んできたら正気が戻ってきたなと祝うべきです。なのにたいていの人が、元気が出てくるとうれしがるのです、調子がいいと勘違いしてしまう、ほろよいの明るさは、おバカさんの証、いけないことだというふうには気づけないのです。

 こうなってきたら危険、躁状態になりつつあるという特徴が自分自身にないか、観察し、見極める必要があります。まず第一に活動的になってきていないかどうか、部屋が掃除されてきれいになってきてはいないか、どうだ、君はどうだ。調子に乗って断捨離だ、なんていって家にあるものをごっそり捨てるようになっていたら、完全な躁状態であって、まわりの人はたぶん、そうとう困惑していると思うよ。

 今すぐ片付けろ、捨てろ、ミニマリストになれみたいな本を読んで、それを実行するようなったら、君は躁状態です。がらんとした部屋に住んでうっとりしている、こんなやつはそうとうヤバいぞ。〈続く〉

 

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