2012/10/09、藤沢の遊行寺で瀬戸内寂聴先生の講演会が開かれました。入場は無料と、私のための講演会です、藤沢までひとっ飛びです。片思いは苦しくない、愛する者だけで幸せです。寂聴講演会もこれで4回目、ですから内容はもう知っているのです、私にとっては古典落語と同じようなもの。
まずは定番ネタ、もうすぐ死ぬトークで始まりました。脱原発集会ではすべりましたが、仏教ユーザーには大受けです。今日の説法がラストギグになるかもしれないよ、というおなじみのやつです。長生きしたくはない、93歳くらいまででいいと寿命宣言もでました、あとたった3年でお別れです。
遊行寺にちなんで、寂聴先生が一遍上人について語ります。一遍上人と寂聴先生、関係ないように見えますが、実は『花に問え』という一遍上人を主人公にした小説を書いています。国宝、一遍聖絵にのっている剃髪した女の人は、一遍上人の愛人で、その隣にいる子供は愛人の子という、不倫上人に違いないという、さすが小説家というべき推理を土台として話は進みます。
ならば一遍上人は念仏を広めるのに、愛人をつれて巡礼していたのか? 否そうではないと寂聴先生は言うのです。一遍上人は女の人とは何にもしていない。だって私だってそうなのですからと、寂聴先生はおっしゃいました。寂聴先生と言えば、酒を飲み、肉を食べ、出家したのに銀行からお金を借りてまでで家を買う破戒僧です。そんな寂聴先生が出家した51歳から唯一守れていること、それが男子とは付き合わないという戒律なのです。
不倫王寂聴ではなかったのです。「私がカツラをかぶって、竹藪の中で夜な夜な男あさりをしているって、雑誌にかかれましたけど、あんなの嘘ですよ。出家してから1回もそういうことはありません」とアイドル宣言です。彼氏がいたらアイドルではない、AKB48と瀬戸内寂聴がここでつながりました。
寂聴先生に脱帽。みなさんも(寂聴先生が)死ぬまでに、一度は説法を聞くべきです、勉強になります。今回はお寺の檀家相手の講演だったので、質疑応答コーナーがありました。手をあげるのは大乗仏教を信じ、南無阿弥陀仏と念仏をとなえれば天国に行けると信じている、ゆるい人たちです。
昨日結婚したと言う女性が、「結婚生活を長続きさせるコツを教えてください」と寂聴先生に質問です。寂聴先生はおっしゃいました。「私は結婚生活に失敗しているのよ!」。夫を捨て、子供を捨て、不倫一本槍の寂聴先生に、結婚生活のアドバイスを求めるとはとんでもないヤツです。
更に、父がで亡くなったのですが、それ以来、母(93歳)がずっと落ち込んで泣いてばかりいるという悩みには、「お父さんがすぐに迎えに来るから、メソメソするなって言ってやりなさい」とずばりアドバイス。自由自在な寂聴先生、1時間15分ずっと立って説法をしていましたよ。
コメント
質疑応答コーナーをやってくれと
リクエストがあったようです。
さえないメガネの僧侶が多かった気がしました、
よく観察すればよかった。
ぎっくり腰、寝たきりを経て、
311以降、もうどうせ死ぬんだと
腹をくくったようです。
寂聴先生のバイタリティにあらためてだつぼうです。
3.11からさらに、凄みがついたようにおもいます。
游行寺。
高良健吾の様に美しい僧侶の多いお寺。
さすが、寂聴先生です。
質疑応答コーナーがあるとは、寂聴先生やりますなあ。