ボトルシップ。
不思議だ、どうやって入ったんだ、船を作った後にガラス瓶をこしらえたのか? なんて子どもの頃は思ったものですが、別にこれは、種も仕掛けもなくて、暇を持てあました大人が、趣味として、ピンセットを使って、瓶の中で船の部品を組み立てるというオモチャ、プラモデル工作なのです。
ピンセットで部品をつまみ、組み立てていく、よく手がぷるぷる震えないなと感心しますのう。私にはできない、最初から最後までぷるぷるするしちゃうに決まっている。
ひきこもりの住むゴミ屋敷もまた、ボトルシップなのです。六畳間に、ブックオフで買ってきた、110円のあれやこれやを、ひとつひとつ詰め込んで組み立てた、ゴミ船、ごみボトルシップなのです。
30年ぶり(?)くらいに、部屋の畳替えをしました。その時に、畳の上にあるゴミをどかさなくてはいけません。特に本棚が問題だ。本がぎゅうぎゅうにつまっていては、重すぎて、本棚を移動させることができない。本棚の中にあるものだけは、畳替えの日に合わせて移動させました。
とんでもないことになったぞ。
本棚にあるものをダンボールに詰めて、それを押し入れにいれたり、部屋の畳ではない床に積み上げていく、のですが、それはもう、積み上がる、積み上がる、例のアレになる、夕方のテレビでよくみる、ゴミ屋敷、そのものになるのでごさいます。
愕然とした。いつのまにか自分があの主のレベルに達していたとは。早く、早くゴミ屋敷の主をやめないと、取り返しがつかなくなる。捨てよう、と決心すると同時に、入り口がせまい、捨てるのは簡単ではない、ボトルシップだ、と気づいたのです。
<だらだら続く>
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