続・元旦から野球

 次男坊の掛け声とともに、毎年恒例のお年玉交渉がスタートしました。お年玉の額は話し合いで決めるのです。

 長男坊 「3500円!!」
 おじさん「よし」
 次男坊 「俺は1000円!!」
 おじさん「よし」

 二人とも即決です。おじさんの懐具合を知り抜いた甥っ子ならではの一発交渉でした。ポチ袋にお金をいれて、すぐに渡してあげましたよ。

 しばらくすると居間で甥っ子長男坊の「一生のお願いだ、Wiiが買いたい!」というシュプレヒコールが始まりました。8歳にして、もう一生のお願いを使ってしまうのか、いやどうせ人生で何回も何回も一生のお願いをするに違いない、そういう男だ、この男は。甥っ子長男坊の性格を冷たく分析しているだけで、おじさんは動きません。

 シュプレヒコールは続きますが、家族の誰も買ってあげるとは言わない。「誕生日プレゼントいらないから、お年玉と合わせてWiiが買いたーい」と条件を変えて、ごねたところで、老爺が立ち上がり、財布から二万円を出しました。甥っ子長男坊の交渉勝ちです。

 そのあと「一生のお願いだ、おじさん一緒に買い物に付き合ってくれ」と言われたので、近所の電器店まで行く。おじさんは忘れないぞ、お前さんの一生の願いを叶えたからな。Wiiパーティーがセットになったやつが、D端子ケーブル付きで安売りされてました。なんだよ、D端子ケーブルっておまけでついてくるのか……、中古のケーブルをWii本体も持っていないのに、安いからという理由で買い置きした自分のバカさかげんが骨身にしみます。

 すぐに帰宅、Wiiをテレビにつないで、さっそくプレイ。正月から、おじさんフル回転で、甥っ子ゲーム接待が続きます。テレビゲームに関しては、やはり自分で言うのもなんですが、おじさんに敵う人間などそうそういないのです。勝ったり負けたりの、絶妙な「接待プレイ」で、甥っ子兄弟を歓喜させます。しょせんは子供、おじさんの年季の入ったプレイに、踊らされ続けます。気がつけば夜になっていました。

 締めは、お兄ちゃんばっかり遊んでずるいぞという次男坊の抗議に答えて、二人で相撲。相撲。相撲。疲れたので、帰ってもらいました。明日も来るとか、来ないとか。全然のんびりできないのでございます。

コメント

  1. 漠然と二人で五千円以内と思っていましたから
    実にいいところをついた交渉でした。
    まさにヤフオクの値下げ交渉。
    妥協点のさぐりあいです。
    勝ちすぎてもいけない、負けすぎてもいけない
    接待ゲームの奥深い世界です。ゲームに精通していないとこうはできません。
    お年玉は恐喝と言うよりは、甥っ子を買収するための
    賄賂の性格が強いです。自慢できない親戚ぶりを隠蔽するのです。
    明日から甥っ子も学校です。今日あたり
    相当ブルーになっているのではないでしょうか。
    実家から離れると、うざい両親に対する免疫が
    落ちているはずです。うるせー、でてけのいがみ合いからリスタートですぞ。

  2. 名人は家族とのつながりを大事にしておられます。実家で同居しようと思えば、自然とそうなるでしょう。いつか、私が実家に戻ったときにも、両親と新たな関係を構築せねばならんなと思いました。

  3. あけましておめでとうございます。
    お正月早々の甥っ子さんズ接待、本当にお疲れ様です。そろそろ学校が始まるでしょうし、ひと息つける頃ではないですか?

  4. 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
    私には20歳ほど年の離れたいとこが男女1人ずついるらしい(笑)のですが、まだ1度もあったことがありません。
    というのも、向こうの親戚とは剣呑な関係が続いているので、10年くらいその親戚の家には行っていません。
    まあ、そのお陰で余計な出費をせずに済むんですけどね。
    貧乏人から金を毟り取るお年玉制度には恐喝罪を適用すべきだー!(笑)

  5. あけましておめでとうございます。
    今年も、名人と甥のやり取りを楽しませていただきますね。
    ゲームで甥っ子の心わしづかみの手腕に感服です。

  6. 名人の家ではヤフオクの値下げ交渉みたいな感じでお年玉の額が決まるのですね。あと、相撲を三連呼するとさすがに相当面白いです。新鮮な感じがしました。

  7. すごく微笑ましい話ですね。勝山さんの交渉術だとネゴシエーターになれそうです。

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