ひきこもれない支援

 コロナさわぎのせいで、ひきこもりは社会問題ではなく、権力と相性のいい〝能力〟へと変化しました。全国に100万人いるひきこもりたちは、政府の自粛要請に完全な形で答える御用集団となったのです。

 マンボウだ、緊急事態宣言だ、外出をひかえろ、自粛しろと国はいう。そんなもの我々にとって、たやすいこと、ポケットの中のものを取り出すようなものです。一切の努力なしに、完全な自粛を生活をおくっています。

 雪だるまが暖かな日差しにとけてなくなるように、ひきこもり問題も、1年以上も続くコロナの自粛要請の繰り返しによって、すっかり、とけてなくなってしまいました。

 このご時勢に、ひきこもり支援と称して、自粛している人を外出させようとしたり、居場所として屋内空間に人を集めたり、訪問による濃厚接触を試みようとするのならば、それは支援ではなく、反政府運動であります。なんともかっこいいじゃないか。でも支援者と称する人たちがそのつもりでやっているのかは疑問です。ありもしない、ひきこもり問題をあるようにみせかけて、事業継続をたくらんでいるだけのように思われる。

 一方、民衆はというと、ひきこもれずに苦労しているようです。ニュースで東京都に緊急事態宣言が出たところ、隣の神奈川県川崎市におおぜいの人がやってきて、休日を満喫した、というようなことが報道されておりました。多摩川を越えて飲みにくる、越境飲みが盛んだとか…。民衆の無能ぶりにはあきれ返るばかりですな。

 このような状態が長引くようだと、ひきこもり支援から推測するに、国は自粛できない人たちを取り締まるのではなく、支援するようになるでしょう。ひきこもり問題から、ひきこもれない問題への、転換です。ひきこもれない支援として、彼らを作業所に閉じ込めて、みっちり自粛訓練をやらせるはずです。

 ひきこもりの強化を、権力者は求めています。自粛のプロフェッショナルとはいえ、国のいいなりになるのはおおいに不本意、でもかといって、にわかに外出するというのも筋が通りません、しばらくはいつも通りの生活を続けることになりそうです。

 

コメント

  1. おはようございます。
    相変わらずどん詰まっております。経済的に厳しく、良い子で自粛しているわけですからひきこもり手当とか欲しいところですね。
    ひきこもり問題は就労や社会参加を軽視はできないですが、それよりも遥かにお金の問題の方が重い・・・。
    いろんな支援を受けてみましたが、ひきこもり支援とは何なのか、さっぱりわからないです。

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