文庫本を買い直すという趣味

 ぼろぼろの古い文庫本を捨てて、あらたに文庫本を買い直すということを趣味にしています。同じ本を買い直すのです。

 昔の文庫本は字が小さいので、買い直すならなるべく発行年の新しいもののほうがいい。それも古本でできるだけ安く手に入れたい。そんなこすっからい、ひきこもり魂を持っての古本屋巡りをして、こつこつと文庫の買い替えです。

 私のお気に入り、吉川英治の『三国志』を買い直そうと、こつこつと『新装版 三国志』全5巻を集めていました。このたびようやく全巻コンプリート。ひきこもり冥利につきます。しかしそんな喜びも吹き飛ばす、悲しいことがあったのです。

 「新装版 三国志」とは、新編集ということで本文のみ収録で、あとがきが載っていないのです。吉川英治版三国志の最後は、篇外余録という、あとがき兼後述談というようなエッセイ風の文章で終わっているのですが、新装版ではこれがばっさりとカットされている。三国志の主役の一人の、諸葛亮孔明が死んだところで唐突に話が終わっています。

 孔明が死んだ後は、三国がどうなったかをしみじみと説明して、最終的に普という一国になるというエピソードを、本編ではないという理由でカットしているので、完全に尻切れトンボ三国志となっている。これはいかん、「新装版 三国志」は買ってはいけない。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です