2018-12-19

ママン・ダディー・介護

怖ろしい顔をした老婆がニラみをきかせていた

顔がとがり、目がつり上がった老婆が、台所で車椅子にすわり、私にニラみをきかせていた。誰だか分からなかったが、少し間をおいて、あっ、ママンだと気がついた。  毎日ダディー相手におたけびをあげている、要介護5の寝たきり老婆ママン。もう全身の筋肉はおとろえて、口を思いどうりに動かすこともできず、流動食しかのどを通らない。ダディーが毎回食べるものをミキサーでジュース状にして与えているのです。  私はそんな最近のママンを直視するのに忍びなく、同じ家に住みながら、目をそむけて暮らしていました。そして今日、ひさしぶりにママンを見た、別人のようになっていた、やせて頬の肉が落ちて表情は精悍になり、眼光の鋭さは増...