2018-06

よもやま話

チンパンジーの悟り

狭くて暗いところに入り、そして二度と出てこない。これが私の考える「死」のイメージです。天国も地獄もない。  いずれ自分も死ぬ、絶対に逃れることはできない。なんとか死の恐怖から解放されたいなと思うのですが、凡夫ゆえに悟りをひらくこともできず、ひたひたと近づく死に恐れおののいております。  人間だけが、死というのを知っている。チンパンジーに死の概念はない。死に至る病におかされ、日々衰弱していったとしても、チンパンジーは気分が暗くなったり、絶望したりするとことはないという。いつもどおりの明るさで、飼育員に愛嬌を振りまき続けるんだって。えらい、ゴータマ・ブッダ級の悟りだよな、私もチンパンジーになりたい...
ママン・ダディー・介護

かやいいやはああはーーー

「うふーふー」「うえいうえうー」「でいてえー、でいてえー」 これなーんだ? 正解は、朝から晩まで勝山家に響き渡る、寝たきり要介護5老婆ママンのおたけびでした。正解できなった人は幸せですよ。  寝ている時とヘルパーさんが来ている時以外は、基本的にこのようなおたけびが家でこだましております。老婆ママンのおたけび自体は以前からあったんです。が、だんだんインフレ化が進んできて、今ではほぼ一日中、老婆が「おたけんでいる」しだいあります。  なぜ、おたけびなのか。ひとつは、病状が進み舌が自由に動かせず話ができないから。そしてなにより、おたけびをあげると、介護をしている老爺がなんでも言うことを聞いてしまうか...
ひきこもり

図書館ウォーキング

健康のために1日1万歩、歩こうと決意したものの、ちっともできていません。梅雨で雨ばかりというのもありますが、それよりなにより、どこにも行くあてがない、歩く目的地がないというのが一番の理由です。  それならばと、私が実践しているのが、図書館の本棚の間を歩きまわる、図書館ウォーキングです。けして広いとはいえない図書館の中を歩き回り、100歩、200歩と歩数を稼ぐ地味な運動です。読む、立つ、歩く、の繰り返し。家から図書館への往復と、図書館ウォーキングを合わせると、1日5000歩くらいにはなりますかな。  いかがなものでしょう。なんだか、ひきこもり生活もどんづまってまいりましたが、一生懸命歩いておりま...
不登校

原田メソッド隆史とクラスジャパン

クラスジャパンについては前にもブログに書きました。その後、クラスジャパンはネットで話題になり、批判されたりもして、Webサイトから「日本全国の不登校者全員の教育に取り組み 通学していた学校に戻す」の文字が消えたりもしました。しかし頑なに変えず、守り通している部分もある。それが、  クラスジャパン会長、原田隆史氏の提唱する原田メソッドなのです。ならば仕方がありません、図書館で先生の御著書を借りてまいりました。原田隆史『カリスマ体育教師の常勝教育』でございます。  原田隆史とは、「鬼軍曹だとかヒトラー、マッカーサーというあだ名までつ」いた、元・中学校の体育教師です。「誰からも愛される楽しい先生」に...
ひきこもり

ひきこもりと社会と世間

社会も世間も、同じような意味で使われている言葉ですが、しいて言えば、社会のほうが広く、世間は狭い。  ひきこもりについて語られるとき、それは社会の問題だということにはなっていますが、じつのところ世間という狭い範囲から抜け出ていない。ひきこもりに対し、今はいいけど将来はどうするんだ? なんていう脅しは社会的でも、社会学でもない。世間からのお叱りでしかありません。  働きもせず、税金も納めていないくせに、権利ばかりと主張するな、というひきこもり叩きを最近目にしました。この手の批判にはまったく社会的視点はなく、狭い世間があるだけです。権利とは、労働と引き換えに手に入れるものではありません。税金で買う...
よもやま話

電車で(2)

「よしなよ」、と作業ズボンをはいた、いかにも建築現場で働いている、という風体の男性が、粘着女性と無実女子の間に仲裁に入ったのです。  一件落着、と思いきやそうはなりませんでした。粘着女性がケケケケと笑いだし、「超ウケル」「なにいってるの?」「意味わかんない」といって、その男性の姿をスマホのカメラで撮影しだしたのです。電車内の空気が凍りつきました。  この女は酔っ払いじゃない、精神が病んでいるんだ! と私はすぐに見抜きましたが、男性はただの酔っ払いとしか思っていないらしく、勝手に写真を取るのはやめろと冷静に注意をするのです。それに対し女性がいったのは、「口が臭えんだよ」でございました。そして、引...
よもやま話

電車で(1)

「足、踏んだでしょ」と、私の前に立っている女性が、私の右斜め前に立っている女子に対して言った、というよりはからんでいたのです。電車の中で、私が座っている眼の前で、そういう小競り合いが勃発していたのです。  酒に酔った女が、無実の女子に粘着しているだなと思い、私のなかの正義がむくむくと湧き上がりました。「やめたまえ」と、心の中でその女性に言いました。あくまでも心の中だけで現実には何にも言わずに、じっとしていたのです。  下手になんか言うと、自分まで巻き込まれるんじゃないかと……だって女子が足を踏んでないとすれば、ではいったい誰が踏んだのか? あれ? こいつじゃないの? この黙って座っているおっさ...