「うがああああっあっあっあーーーーー、うおおおおおおっおっおっ、がっがっーーーーー」、外から帰ってきてドアを開けた瞬間、家の中から首を絞められた猿の叫び声が聞こえてきました、というのは嘘で、いつもの要介護5の寝たきり老婆ママンのおたけびでございます。
こんなにおたけんでも、近所から苦情がこないのは、隣人の慈悲か、それてもあまりの怖ろしさに我が家との一切のかかわりをもたないようにしているのか、それは私には分からないのですが、朝、昼、夜と老婆ママンは気の向くままに力一杯おたけんでおります。
先日、第二回クーデターを企てました(第1回クーデターはこちら)。ママンをデイケアセンターに送り出した、そのすきを見計らって、鬼のいぬ間の老爺ダディーを説得作戦です。私は言いました。
「週一回でなく、毎日デイサービスに預けたらどうか?」
「いっそ特養老人ホームに預けてはどうか?」
と。しかしそれはできないと老爺ダディは言うのです。
前に老婆ママンをショートステイとして数日間、施設に預けたことがあったのですが、その間老婆ママンはずっと「泣いていた」のだそうです。
だからなんだというのですか。そんな泣き落としは、奴隷に呪いをかけるママンの常套手段ではないですか。私は老爺ダディに最初は泣いていてもすぐに慣れるから施設に預けたほうがいいのではと、重ねて説得しました。すると、
「お前は、情がないからそういうことが言えるんだ。かわいそうじゃないか。母さんは家にいたほうが、心が休まるんだ」
とそう言うのです。老爺ダディーは、台風が運んできた生暖かい風に吹かれ、ドン曇りのねずみ色の空を見上げながら、なにやら満足そうな表情でございます。私は心の中で、心が休まるなら、なぜ四六時中おたけびをあげているんだ、と思いましたが、話はそこで打ち切りに。要介護5老婆ママンを特養老人ホームに入れる計画(クーデター)はまたしても失敗に終わったのです。
コメント
ママンの呪いが効きまくっているんですよ。[E:#x1F419]
かわいそうって何なのでしょうね
棘のある言い方かもしれませんが、人に迷惑をかける人間を助ければ、自分が救われると思っているんでしょうか
これぞまさしく呪いですね