瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(6)

 勢いに乗った寂聴ダディーは、今の時代はこれだと、小鳥問屋を始めます。たちまち狭い家の中が仕入れた小鳥で一杯になり、大変に困ったと寂聴先生はおっしゃいました。指物職人が小鳥屋なんかを始めてうまくいくのだろうかと思うでしょうが、これがうまくいったそうです。小鳥ブームに乗り、毎朝家の前でおこなわれるセリはたいそう盛り上がった。

 たくさん人が集まれば、セリの値段が上がりもっと儲かる。そう考えて寂聴ダディーが購入したのが、当時は珍しかった九官鳥、物まね鳥として有名ですね、言葉だけでなく声の音色までも真似します。この九官鳥に言葉を覚えさせた。「おはよー」「いらっしゃいませ」と話すようにすると、たちまち世間の人気者。二本足で立った、レッサーパンダの風太くんが人気なったのと同じノリです。大評判で小鳥問屋に人がたくさん人が集まりました。不況で世間が暗い時には、ほのぼのとしたニュースが人々の心をとらえるのです。

 寂聴ダティーは有頂天になります。小鳥番付なるものを作り、発表。大阪にも同じような九官鳥がいると知り、二羽の結婚式を企画します、九官鳥の嫁入りです。浮かれあがった、寂聴ダディーは九官鳥のため新聞広告をうち、紋付袴を用意するほどの入れ込みよう。ブレーキを失ったダディーを、寂聴少女はただ黙ってみていることしかできません。

 嫁入り当日の朝、外で大きな人の声がします。「不景気でんな!」、誰か外にいるのかと寂聴少女が覗いてみますが誰もいません。ただ、九官鳥が野太いおっさんの声で「不景気でんな!」と鳴くのです。それを見た、寂聴親子は茫然自失。九官鳥がセリに来る男達の嘆きの愚痴を覚えてしまったのです。不吉な貧乏鳥に格下げとなり、結婚式も中止になってしまいます。

 寂聴先生のお得の話らしく、司会者のふりに答えてのこのお話をなされました。おっほっほっ、と笑いながらのトーク。寂聴先生の生臭さも、手のつけられない勢いも、先祖代々伝わる瀬戸内家の性格なのですね。<完>おっほっほっ


この記事へのコメント

  1. 手に職をつけても不況には勝てない、
    それでも儲けようとする寂聴パパの欲望はすごいですね。
    瀬戸内ジャンクションのほうが
    言葉の響きがいいように思います。

  2. ビミョーに感銘を覚えましたので、寂聴さん関連の新HNを考案中ですが、
    ①瀬戸内ジャグジー
    ②瀬戸内ジャンクション
    …果たしてどちらが良いのでしょうか?

  3. 指物師でも欲の皮が突っ張ると
    商売ダメになってしまうのね
    箱根ひみつ箱をblogで薦めた当人として
    すこし罪悪感に囚われます

  4. 悔しいことに、実際の寂聴トークライブはもっと面白いのです。
    ひやかしにいったのに、ガツンとやられてしまいました。
    寂聴のトークを聞くことが、
    われらを鍛えてくれる最強の苦行ですな。

  5. 嵐のような寂聴講演会でしたね。このブログがクッションだったにもかかわらず、『ハリケーン寂聴』に何度もぶっ飛ばされてしまいました(笑)。

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