2019-06-01

よもやま話

デモクラティック大名(9)

謙信は勝利寸前でしたが、こうなっては勝ち目はありません。あとはどうやって退却するかということになります。上杉謙信は敵中突破をはかりました。新手の先鋒隊と戦うことをせず、朝から戦い続けで疲れている正面の敵に突撃し、そのまま突き抜けて越後に戻ろうとしたのです。  その時、歴史が動いた。通り過ぎようとしたその敵の本陣に、当時最高級品であったヤクの毛でフサフサの兜をかぶった男がじっと座っていたからです。ひょっとしたらアイツじゃねえと勘づくと謙信は向きを変え、アル中特有の勢いでフサフサ兜のの男に馬上から刀で切りかかったのです。有名な信玄と謙信の一騎打ちです。  床几に座り、動かざる信玄は風林火山のうちわ...