コロンブスアカデミー事件簿

【ニュースその1】

 日本の団体がニュージーランドのオークランドに開設した日本人不登校児らの寄宿施設で26日(注*2003年02月)、生徒同士の集団暴 行事件が発生し、日本人の男子学生1人(22)が死亡した。地元警察は事件に加わった19歳から23歳までの日本人の男子9人を暴行容疑で逮捕した。

 事件は同日未明、オークランド西部のウェストハーバーにある「コロンブスアカデミー」(金森克雄理事長)=本部・横浜市=で発生した。施設からの通報で 救急隊や警察が到着した時、学生はすでに死亡していた。直接の死因は不明だが、頭部に重傷を負っていたという。警察は9人のうち1人を同日中に釈放した。

 現地警察は被害者らの氏名を公表していないが、毎日新聞の取材に「被害者を狙って殴るけるの暴行が加えられた。加害者らは今後、殺人などの重犯罪に問わ れる可能性がある」と説明している。

 施設には約30人の若者が共同生活していたが、ほかにけが人はいなかった。警察は事件の詳細な経緯と暴行の動機などを調べている。
【シドニー堀内宏明】

【ニュースその2】

 ニュージーランドの施設を運営する横浜市の本部「コロンブスアカデミー」には25日午後11時半ごろ、現地の施設から一報が入った。アカデミーは「男性 が1人亡くなって、施設に住む数人が身柄を拘束されたということ以外、情報がない。詳しい状況や死因も把握しておらず、情報収集にあたっている」と話して いる。死亡した男性の両親は、一両日中にニュージーランドに向かうという。

 同アカデミーは、横浜市内やニュージーランドで滞在型のフリースクールを運営しているほか、ヨットの長期外洋航海や体験合宿などを通じて、自立を支援し ている。ニュージーランドの施設に在籍する15~25歳の日本人男女約30人は共同生活を営みながら、現地の高校や大学に通っているという。  事件を受け、同アカデミーの関係者は「今までこうした事件が起きたことはなく、混乱し驚いている。施設内の動揺を心配している」と話している。
【川久 保美紀】(毎日新聞)

 

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