アリとキリギリスとひきこもり

 みなさんがよく知るイソップ童話『アリとキリギリス』は、原作では『セミとアリ』なんですよ、知っていましたか。セミというのが暖かい地方にしかいなく、北の国にはなじみが薄いので、セミをキリギリスに変えたとか、変えないとか。

 『セミとアリ』ですが、内容はほぼ一緒で、夏の間、歌って過ごしていたセミが、冬になりアリのところに腹をすかしてやってくる、するとアリは「夏は歌ってたんだから、冬は踊ってればいいんじゃねえの」と言い放つという、そういう話です。

 キリギリスにせよ、原作のセミにせよ、暖かい季節は楽しく歌って過ごしていた、将来の心配をして陰気に落ち込んでいたりなんかしなかった。そこを見習いたい。

 ひきこもりもセミであり、キリギリスなんだから、とにかく今は歌を歌いたまえ。アリが働いている横でバイオリンを弾きたまえ。何が8050問題だ、いっちょ前に将来の心配なんかしやがって、アリのように働きゃしないんだから、悩んでいるふりなんかやめて、うたを歌え。

 

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