甥っ子

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部屋の中にはマナケモノの精霊がいる

私の部屋は、東向きの団地の1階で朝をのぞけば、大変日当たりが悪い。自分がひきこもりなのは、日当たりの悪さもその一因だと思っている。20年もこもっていると、部屋全体にマイナスイオンではない、純粋なマイナスののオーラが漂っている。ナマケモノの精霊のようなものが住んでいて、そいつが私にずっとユーチューブを何時間も見させているんだ。その証拠に、ドツボから抜けだそうと決心して、ファミレスに行くとやらなきゃいけない作業がばんばんはかどる。憑き物がとれたようにだ。  今日はガストに行って、love寂聴をちょこちょこ作っていた。去年の7月に出したあと放置の状態、ナマケモノの精霊のせいで、今日まで何もできなかっ...
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甥っ子、泣かしました(4)

「おい、おっさん、何やってんだ!」、ばーん甥っ子次男坊の登場です。しかし、なんという憎たらしい口の利き方でしょうか、4歳のお坊っちゃんとは思えない、横柄な態度です。小さくてかわいいという保育園児のイメージが、本人には気に入らないのか、自分のことを「俺」と呼び、小さいくせに「でかい態度」をします。それが愛嬌があっておもしろい。  甥っ子次男坊は今、かまってブームとまねっ子ブームが両方いっぺんに訪れています。誰かのマネをして、すりよってくる。大の被害者が「お兄ちゃん」こと甥っ子長男坊です。長男坊「お兄ちゃん」と、次男坊「俺」で話を進めていきましょう。  お兄ちゃんがやることなすこと何でもまねします...
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甥っ子、泣かしました(3)

風邪が治りました。これで甥っ子とも遊べます。年齢差3歳の甥っ子が2人いる、というのは結構困るものです。両方大事な時期じゃないですか。長男は学校でつらい思いをしているのだから遊んでやらなければいけない、次男坊は4歳で遊びたいさかりです。3歳とか4歳の時期に好きなだけ遊んであげないと、なついてもらえません、おじさんの人気が出ないのです。  甥っ子が来たときだけは、家族みんな揃って偽善食卓を囲みます。私が高校1年になってから1回もやっていなかったことが、甥っ子が来訪するたびにおこなわれています。団らんには楽しい会話がつきもの。でも、爺さん、婆さん、ひきこもりおじさん、小学生、保育園児に共通する話題が...
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甥っ子、泣かしました(2)

長男坊はもう小学生ですから、今日は風邪ひいているから遊べないと言えばそれですむ。でも4歳の次男坊にはそんなことは通じません。「よし、じゃあ俺も一緒に寝るぞ」と言っておじさんの部屋に飛び込んできます。  おじさんの風邪が伝染るから、だめだと言っても「俺も風邪ひいているから大丈夫」と緑色の鼻水をながし、肺病のような咳をしながら、おじさんの部屋へアタックをかけてきます。こんなインフルエンザ級のバイ菌が、ひきこもり無菌室に入ってこれられては困るので、出てけ、来るなと鬼の形相で次男坊を追い返しました。  またひとつ、甥っ子との間に溝が出来てしまったようで、とても悲しいです。  おじさんがいないと暇だ、や...
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甥っ子、泣かしました(1)

子供は寝ている時が一番かわいいといいますが、では一番かわいくない、憎らしい時はいつか。たぶん、ふてくされている時なんじゃないかな。  甥っ子とまわり将棋をしていました。甥っ子は途中で勝ち目がなくなると、ぶんむくれ、ふてくされ、投げやりに将棋の駒を投げるようになります。降参か、やめるか、と聞いても、嫌だという。憎々しげな、性根の腐った小学生阿修羅フェイスでまわり将棋をする。するといっても事実上やっているのは、対戦相手のおじさんだけで、甥っ子は自分の番には、駒をぶん投げてそれでおしまいです。  かわいげのなさも相当なものですな。これはいかん、こんな腐れ根性のひねくれっぷりが続くと将来、ガリ勉経由で...
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ひきこもり無菌室

おじさんの部屋は無菌室。人ごみを避けること20年、散らかってはいるが衛生的でウイルスはいません。そんな環境に、甥っ子がやってくるようになりました。手も洗わず、うがいもせず、学校や保育園から、直行でおじさんの「無菌ひきこもり部屋」に入ってくるのです。今流行りの生きのいいウイルスが、甥っ子と一緒に入ってきます。  おじさんは20年にわたるひきこもりライフで、外部のウイルスに対する免疫力がなくなっていますから、甥っ子が運んできたウイルスには必ず感染するというありさまです。世間ではやっている病気には100%の確率で感染してしまいます。防ぐすべがない。今も風邪をひいています。風邪が流行っているらしいです...
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2泊3日 甥っ子合宿 3日目 2010

3日目。  甥っ子の尋問から一日がスタートです。昨日、眠いと言ったくせに、寝てなかったじゃないか。夜にトイレに行ったのを、知っているんだぞ、とおじさんを責めるのです。嘘ジジイめ。松本清張の小説に出てくる刑事のような取調べです。わしは見とるぞ。社会の悪を、差別を、わしは許さんぞ、そんな気迫が感じられました。かなり憤慨しているようです。  そこに、次男坊と、保護者である妹が、長男坊を迎えにやって来ました。今からポケモンの映画を見に行くとのこと、おじさん解放です。自由万歳。おじさんは、次男坊にマイDSを渡して、幻のポケモン、セレビィを捕まえてきなさいと命令しました。勝山家では38歳が、3歳児にこのよ...
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2泊3日 甥っ子合宿 2日目 2010

小学1年生はぴちぴちしている。釣り上げたばかりの魚のように、ぴちぴち動き回っている。  2日目。  「よし、野球」  という掛け声とともに公園に連れていかれました。昨日に引き続きプレイボールです。おじさんが投げ、甥っ子が四方八方に打つ。ボールを追いかける38歳と、東京空想ドームの中を全力疾走する7歳。疲れが腰にたまるというのを初めて体験しました。  家の中では、甥っ子マイブームのUNOです。2人でやっていてもつまらないということで、老婆ママンも誘い、3人でやることになりました。いがみ合う親子が孫をかすがいとして、ひとつにまとまったのです。  「これ、どうやるの?」  と老婆が言ったところから、...
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2泊3日 甥っ子合宿 1日目 2010

「UNOしよう」とささやく少年の声で目を覚ましました。朝7時、甥っ子合宿の始まりです。あとで、とやんわりと断ると「普通の人なら起きている時間だ」と社会性を強調、おじさんを無理やり起こすのです。  ウノ、ポケモン、炎天下での野球とみっちりしごかれました。このままでは死んでしまう。おじさんはお散歩に行くことにしました。甥っ子が何時に帰ってくるのと聞くので、5時か6時と答えると、  「ばかなことを言うな!」  と一喝されてしまいました。  「5時半に帰りなさい」と命令。そのあと甥っ子は、  「暇だ、オレは何をすればいいんだ」  といいながら部屋の中をを転げまわっておりました。おじさんは逃げるように家...
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DS修理

ニンテンドーDSを甥っ子に貸したところ、壊れて帰ってきました。やっぱりでございます。これくらいで怒るようなおじさんではありません。ただ甥っ子のいい訳がひっかかるのです。自分だけじゃない、弟も壊したと言うのです。  誤謬の訂正とは、人間の弱さの習性で、間違いを犯すと、わざと似たような間違いをして、ごまかそうとすること。瀬戸内寂聴が断食に失敗したあと、3日断食というイベントをおこなって、全部うやむやにしようとする行為と同じです。  落として壊れたDSを、3歳の弟に渡し遊ばして、更に壊れることによって共犯者に仕立てたあげる。おじさんの怒りを、自分以外の者に向けさせようと、子どもが必死で考えた完全犯罪...
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2泊3日甥っ子合宿の2日目、3日目

合宿初日に6年間で甥っ子との間に築きあげてきたものを全部失ってしまった勝山おじさんこと坊さんジジイ。丹沢に行った時に、血と一緒にヒルに人間らしさも吸われてしまったのでしょうか、人間復活をかけて2日目にのぞみます。  もともとマンツーマンでのもてなしを得意とするおじさんも、最近はニイニ(長男)とブッチョ(次男)の2人の甥っ子を同時に相手にしなければいけないのです。サッカーでいうところのゾーンディフェンスですが、それでも1度に2人の相手はできません。でも、相手をしてあげなければ泣くに決まっています。苦行とはこのこと。長男とポケモンカードをしていれば次男がかまってプリーズと邪魔してくるので、兄弟げん...
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2泊3日甥っ子合宿

甥っ子2人が、我家に2泊3日のお泊り会です。あんなうるさいのと3日も過ごすとは、いつもよりペースを落とさないと持たないなと気を引き締めて接することにしました。勝山おじさんはポケモン担当です。早速1日目、夏の映画がらみでデビューしたアルセウスの新しいカードセットを持って甥っ子が参上です。カード60枚フルデッキで、おじさんと勝負とは、小学生になる前なのにすごいのでは。これも、ひきこもりゲーム王の英才教育の賜物でしょう。甥っ子の持っているカードのほうが強いですが、子ども相手に手加減なしのひきこもり名人の頭脳も侮りがたい、いいバトルになるはずでしたが…、序盤おじさん有利にゲームが進んだ途端です、甥っ子...
甥っ子

ミュージック

甥っ子が「おじさんは変な人~♪」と歌うので、いたたまれなくなって近くの図書館に散歩に行きました。春です、いい天気です、桜が満開であります。春は散歩に限ると思いました。