ケータイ小説 ひきこもり釈迦十大弟子5 阿難・大迦葉編II

 阿難(あなん)は女子に優しい人でした。ブッダは女子にもてたくないと言い張る悟りの人ですから、煩悩を刺激する女子を教団に入れたくなかったのですが、阿難が男女を差別するのはおかしい、と正論を言うので、渋々女子を教団に入れるようになりました。頑固で意地の悪い教祖と、ハンサムで若く女子に優しい弟子。ブッダの苦悩たるや、いかがなものでしょうか。

 ブッダが亡くなる時にそばにいたのも阿難でした。最期の最期までブッダの世話をしていたのです。そんな姿がまた女子の人気を誘うのです。ブッダの死後三ヶ月が過ぎ、このままでは、ブッダの教えが廃れてしまう、みんなで集まって経典をつくろうじゃないかということになりました。呼びかけたのは大迦葉(だいかしょう)です。いつもブッダからもらったボロボロの汚い服を着ている最年長の超清貧もてない仏男子の、大迦葉です。ここから阿難の悲劇が始まります。

 続々とブッダの弟子たちが経典作りのために集まってきます、当然、阿難もやって来ました、その時です。「だめー、絶対だめー」と大迦葉か阿難の前に立ちふさがりました。阿難は先輩である大迦葉にどうしてなのか尋ねました。大迦葉は言いました。「悟ってないでしょ」って。更にブッダに対し五つの罪がある、と言い放ちました。大迦葉がブッダの言葉を語る時、ボロボロの法衣はブッダパワーをまとい、きらきらと金色に光るのです。

 「女子を教団に入れるよう、ブッダにお願いしたこと、これ一つの罪」。そーだそーだと周りのもてない仏男子も大迦葉に味方します。二つ目はブッダの看病に失敗したこと、三つ目はブッダに長生きしてくださいと頼まなかったこと、四つ目はブッダの服を踏んだこと、五つ目はブッダのチンチンを女子に見せたこと。阿難には難癖以外の何物でもないのですが、泣いて謝っても許してくれません。阿難は集まりに参加できず、帰ることになります。

 阿難は一人、涙を流し、座禅を組みます。そして忽然と悟りを開きます。もてないほうが、かっこいい。もてちゃだめだ。もてない人が一方的に偉い、と。阿難は再び大迦葉のところに行きました。大迦葉も一目見て、阿難が悟りを開いたことを見抜きました。阿難はずっとブッダに付き添っていたので説法も一番知っています。大迦葉は、阿難を中心すえ、ブッダの教えを思い出しながら、経典作りは行なうのです。Daikasho_2

コメント

  1. ブッダ関連の本はいっぱいあるんですよ。
    読めば同じようなことが、書いてあるはずです。一部捻じ曲げていますが。
    ぽんち小説にも光を当てて欲しいものです。

  2. お昼下がり、一番暑い時間に書き込みます。
    僕の知人で、すでに旅立たれてしまった人がいました。
    この人は、ごくごく普通の生活をされていたのですが、生前ある時、一人の女性の人とお付き合いをしていたようです。
    しかし、この女性が僕と同じ病気が悪化し、他界されてしまったそうです。
    その女性の事を本当に愛していたんでしょう。
    その後、ご本人が亡くなるまで、女性にもてない
    、興味を持たない事を自分自身に、科して生活されていたようです。
    その事から目をそらせて生きるためであろう為に、趣味と、仕事に没頭する毎日だったようです。
    この方は、自分で一人で事業をしていたんですが、会社員経験も数回あったそうです。
    しかし、会社員の拘束された状況が肌に合わなかったのでしょうか、会社を設立、ご自身一人で仕事をされていました。
    コメントとは、かなりズレてしまっていますが、
    なんとなく、ご自身の人生を送る上で、色々な事を苦難の中から悟られていたようで、それをご自身で、実行されていたようです。

  3. すばらしい小説としか言いようがありません。
    どこかの出版社さん、本にしてくれませんか?
    くだらない恋愛小説など本にしている暇があったら。と声を大にして言いたいです。
    続きを楽しみにしています。

  4. 詳しいですね、かなり。
    僕はブッダがひきこもりであることくらいしか知りませんでした。

タイトルとURLをコピーしました