累積で考えれば挫折はない

 毎日◯◯回やる、という発想が本来あかるい人類の気持ちを暗くしている。一日ごとに自分のやったことを、リセットして初期状態にするなんて、おかしなことじゃないか。昨日の自分は、今日の自分じゃないとでもいうのか。

 生まれてから現在までを累積で物事を考えれば、この星から挫折がなくなると、六畳間であぐらをかきながら悟りました、マイ真理です。

 昨日はやったのに、今日はやらなかった、そんな気持ちが、「俺はだめだ」という闇の種になのです、やらなかった日が続けば、「今日もまたやらなかった」と考えてしまい、だめの種が芽を吹き、花を咲かせ、立派なだめの実の収穫となります。

 例えばみんなが筋トレに失敗するのはなぜか、それはスクワットを毎日30回するぞと、いうような目標を立てて、筋トレを始めるからです。それじゃあだめです、今日は30回なんてしみったれた数え方はすぐやめたまえ、俺は通算◯◯◯◯◯◯◯回スクワットをしたぞ、と考えたまえ。

 元メジャーリーガー、いけすかないマイペース野郎ことイチローも挫折知らずでした、なぜならイチローは通算安打数にしか興味がなかったからです。普通の打者が気にする打率はもちろん、四球を選んで塁に出ることにも興味はありませんでした。イチローが興味があるのはヒットの数、安打数だけ。だから試合で1安打だけであっても、イチローにとってはプラスなのです、だからいつもご機嫌で好物のカレーライスが食べれるのです。

 昨日やったたことと、今日できなこっとを足して2で割って自分の価値が少し落ちた思い込むなんてばかげたこと。無意味だ。生きていれば、生きていた分だけ、積み重なっていくだけです。

 そうはいっても、覚えたことは忘れるし、歳とともに体力は落ちるし、という考えが頭をよぎらないこともない、が、ちょっと考えてみればわかること、それはなにをどうやっても同じことです、努力とは関係のない、命ある生物すべてに当てはまる宿命なのです。

 昔はできた、昔は知っていた、それがなんだというのですか。王貞治氏の通算ホームラン数868本と、今のソフトバンク会長の王さんが一本もホームランが打てないこと、それになんの関係があるというのですか。累積にマイナスはなし。なにもしなくたって、光り輝いている偉大なレジェンドです。

 すべてを累積で考える、これを「ホームラン理論」といいます。誰もそんなことはいっていないけれども、私はそう呼びます。昨日のホームランは俺のもの、今日打てなくても、明日打てばいいのがホームラン、もうずっと打てなくても今まで打ってきたホームランは俺のもの。価値は下がらない。1日を24時間とか、1年を365日とかで区切って、できただの、できなかっただとか、そんなしみったれた発想はやめろ。

 ヒトは、毎日、自己最高記録を更新している。マイ・ギネスブックは日々書き換えられている。個人として考えれば、挫折なんてものは存在しない、全部架空のものです。

 そのような空想を、室温32.1℃、湿度52%の部屋で、ずっとしていておりましたが、さきほど、ようやく我に返りました、せっかくなのでここに書いておきます。さあ、これからは一生懸命がんばって生きますぞ。よーそろー、よーそろー。

 

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