洗濯機コミュニケーション

 悪い意味で親子のコミュニケーションを深めてくれる洗濯機。その性能が悪いほど交流の密度が高まる。親子のいがみ合いの90%は、最新高性能の洗濯機を買えばなくなると思う。洗濯、脱水、乾燥すべてを自動で静かにやってくれる洗濯機があるのだ。買えない値段ではない、いつだって買える。

 雨が降ってきたから洗濯物をしまってくれと言われ、「うるせえババア」などと罵る必要がなくなる。早朝から洗濯機の音で睡眠を妨害されることもなくなる。洗濯機にいつまでも洗濯物が入っているなどということがなくなる。乾いた洗濯物が何日も部屋にぶらさがっているということがなくなる。Tシャツの首のところがびろーんと伸びなくなる。

 ちょっと考えただけでも最新高性能の洗濯機を手に入れるだけでこれだけの利点がある。にもかかわらずほとんどのひきこもり家庭の洗濯機は旧式のままだ。いがみ合う家庭ほど性能の悪い安物の洗濯機を使っている。わざとだと思う。かまって欲しいんだ。話をしたくて、うずうずしているんだ。洗濯機を通じてトーク&交流がしたいんだ。実際、私のうちに高性能の洗濯機があったなら、親子の会話はなくなっていたかもしれない。悪い意味での共通言語だ。

※ 2020年1月、ちょっと修正。

 

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