俺たちのほろ苦いメモリー

 いきなり不登校になる人もいないと思う。最初は家を出て、そして学校ではないどこかに行くんだ。暗黒高校2年生の時だろうか、ボクは山下公園のベンチに座り、鳩にむかってポップコーンを投げて時間をつぶしていた。学ランを着た高校生の周りを大量の鳩が囲んでいる絵を想像して欲しい。

 高校に通っているというアリバイ作りのつもりだった。でも、やってることと言えば野毛の大道芸人も真っ蒼なシュールコントだった。今は何も誇れるものがなくてもいい、ただ朝の9時に山下公園で鳩に餌をやるのだけはやめよう。それがひきこもりの先輩である私からのたった一つのアドバイスさ。

 

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