ドサ営業

 ひきこもりブッダ巡礼ツアーこと、ドサ営業350冊販売の旅に出るということは、以前お話したのでみなさんも知っているとことでしょう。結構つらい営業になりそうですなあ……、脂汗がにじみ出てきます。ひきこもり十大弟子が暖かく向かい入れてくれる営業先ばかりではない、という当たり前の現実に気づきました。そりゃそうだよな、社会性がないので、今まで気づかずにいました。

 例えば不登校の親の集まりのようなところに、呼ばれてもいないのに、本を持って行くのですよ。もちろん代表者やスタッフの許可をもらって販売するのですが、普通に参加している人にとっては、誰だこいつ、って思うでしょうな。演歌歌手がスナックのカウンターで、持参したラジカセにあわせ歌をうたい、酔っ払った客にカセットを売ろうとしてウザがられるという、あの手の土着営業です。J-POPとは無縁のプロモーション活動。私はそれをやることになりそうです。

 アウェイですよ。不登校の子どもをもつお母さんは、子どもがひきこもりにはならないで欲しい、そうするにはどうしたらいいか知りたくて、そういう不登校の親の会に行くわけです。そんな場にひきこもり名人と自称する四十ちかいおっさんが現れるとどうなります……部屋の空調音がよく聞こえる、ありえない沈黙がおこるのです。

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 ばーん。私は誰からも相手にされない現状を打破するために、ひきこもりを考える会というのに参加しているのですが、そこでこの著者がまさに、ドサ営業をしていました。してたんじゃないな、やらされてた。2年くらい前のことです。ひきこもりや不登校の集まりというのは、中立というのが基本姿勢なのです。不偏不党、どこの宗教はもちろん、政治的、思想的には中立という姿勢です。だから、本の著者が来ても特別扱いせず、一般参加者扱いなんです。そんな扱いで、自分の本をアピールして売らなければならない。絶望男さんも本の表紙は、特殊メイクなしでスターウォーズにでれるくらいの、迫力あるドス黒いスマイルですが、会場では静かな表情でたたずんでいらっしゃいました。

 本を出版して、著者がやってくる、普通ならスポットライトが当たるところでしょうが、中立主義の会合ではそうはならない。気の毒にと思いつつも、俺の本は絶版だから、うらやましいなという気持ちでながめていました。あの時は、他人事で気にもとめませんでしたが、あれを自分がやるんだと思うと眩暈を覚え、こうやって、つらつらとどうにもならない愚痴をブログに書いておき、あとあと訪れるであろう自分のショックを弱めるように、ドサ営業の心の準備教育をしているのです。

コメント

  1. 名人は痕跡本というのを知ってますか?
    古沢和宏さんが名付けたんですが、彼によると、ある日、ホラー漫画「まだらの卵」を手にとった時に衝撃が!表紙に針でブツブツと刺された跡が残っていて、手にとって読みだすと、針跡が指先に当たり、背筋がゾクゾクとしたそうです。
    作品への思い、読者の行為が本の内容を底上げしていると気づいたといっています。そこで、傷や書き込みのある本を「痕跡本」と付けたと書いてありました。
    興味深いです!名人の本も其の様にして価値が上がるのでしょうか?
    本を読んだって意味は無いと云う人もいますが、私は、ひきこもりカレンダーで元気を貰いました。
    敵地へ乗り込むサポーターとして応援しに行きますよ・・・ただ極度の引っ込みじあんですが(/ω\)

  2. ネットカフェやゲストハウスに営業できるとは思えない
    客に対する嫌がらせですよ。ちなみに直売です。
    350冊を同時に持ち歩く分けではないですが、売る分だけ持ち歩きます。
    ドサ営業の報告は是非したいですね。慈悲深い
    営業先があれば、みなさんにもお知らせしたいです。
    心打つ感動を、商売へと変換しなければいけないところに
    ビジネスの難しさを感じています。でもかんばります。
    書店とかイベントで、トークというイメージを持っていました。私も。
    スポットライトの当たらない場所での営業です。やるぞう。
    青春の旅。いい言葉ですなあ。ドサとか言うからいけないんだ。
    これは旅なのですね。思い出に残る美しい旅に出かけますぞ。

  3. 勝山名人の気持ちは分かります。
    そこに、大人の事情が入り込んでいることも。
    でも、愛著とともに回る旅は、なかなか青春らしい、美しい旅路になると思いますよ。

  4. 購入させていただくつもりですが
    勝手なイメージで
    よくある感じで
    各地の大型書店でサイン入りを
    手売りしていただけるのかと思ってました。けっこう泥臭い感じのことを
    しなくてはならないのですね。
    世間知らずでした。

  5. 私は以前葛原りょうさんの朗読
    http://www.ustream.tv/recorded/8047634
    に大変感銘を受けました。本当の気持ち、心の底から真実の言葉を真剣に訴えれば、伝えたい聞いてもらいたい分かってもらいたいと懸命に創意工夫努力を尽くせば、それは誰も否定できるはずがないのだと知らされました。
    うざがられるとか土着営業だとかそんなことどうでもいいじゃありませんか。なにをショックなど受けることがありましょうか?子どもがひきこもりにはならないで欲しいと考えるお母さんなら、なおさら勝山名人の真剣な言葉に耳を傾けてくれるに違いありません。

  6. 訪問したひきこもり系の自助グループの雰囲気、代表者の対応、売れた冊数を、逐一このブログで報告していただけないでしょうか?マジで知りたいです。

  7. ブレストの結果ドサ回りのルートが
    そういう団体系に決まってしまったのは
    仕方がないとして
    ネットカフェとか
    ゲストハウスとか
    いろいろ買ってもらえそうなところを
    再考して見られるのも
    よろしいかとおもいます
    ところで、350冊は直売ですか
    実際持って歩くんですか?

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