ひきこもりとオレオレ詐欺 2回目

 オレオレ詐欺防止シールを電話に貼っていますか。ひきこもり一族とは無縁のはずですが、マイダディーはオレオレ詐欺団のお気に入りリストに、登録されているようです。2回目のオレオレテレフォンがかかってきました。

 前回とは違い、いきなりお金が必要だから振り込んでくれとは頼まず、「携帯を水の中に落として壊してしまったので買い換えた、新しい電話番号を教えるよ」と言うのです。いかがなものでしょうか。ダディーはくちびるをかみしめ、携帯の番号を聞いても教えない、偏屈ひきこもり息子の姿を思うのです。

 ボクは携帯の電話番号を家族に教えたことなどありません。ひきこもりの常識ですよね。そもそも、なぜ電話が頻繁にかかってくるわけでもないのに携帯を持っているのかというと、家に電話がかかってくる→ママンがでる→電話の子機を持ってママンが部屋に入ってくる→ママンを部屋から追い出す→電話で話をする→部屋のすぐ外でママンがじっと耳をすます→ママン生きがい発見。

 これが嫌で、自分直通の通信手段として携帯電話を維持しているのです。ほとんど待ち受けで、無料のメールを主に使っていますが、それでも毎月
2,500円はかかります。金銭的に痛い。でも、ボクにとっての心の一人暮らしなのさ、これだけでプライバシーに関しては満足、お腹いっぱいです。 

 「ききみみずきん」を知っていますか。このずきんをかぶると、ひきこもり息子の電話やパソコンでの話し声が聞えてしまうという不思議なずきんです。ひきこもりママンなら必ず持っています。

 家族に電話番号は教えていないのに、ママンから電話がかかってきたことがあります。こんなことは、ひきこもり業界では日常茶飯事、話題にもなりません。国境なき医師団のようなものだと、自分をなぐさめるしかありません。

 さて、オレオレ詐欺の話に戻しましょう。携帯を買い換えたから新しい電話番号を教えるなどと、ひきこもり息子が電話してくるなど、ダディーにとっては「ありえないにも、ほどがある」というものです。ママンも「そういうことだけは絶対しないタイプだ」と申しておりました、そのための「ききみみずきん」なのですなあ。

 ひきこもりといえども外出します。ブックオフの105円コーナーや図書館、ツタヤなどせまい縄張りですが出かけます。ただ、すぐに家に帰ってきます。そして、ずっと家にいます。息子がひきこもりであるのなら、“すぐ”に振り込む必要はない。これだけは覚えておいてください。詐欺にひっかかる資格がないのです。Ore2_2

コメント

  1. 秋はちょっと切ない気分になる季節ですが、
    ひきこもりは一年を通して、切ないものです。
    仕事するようになった時ために携帯をもたすという発想もあるんですね。
    なった時がなかなか訪れないのも切ないですなあ。
    当人在宅中にかかってくるオレオレテレフォンは哀しいです。
    哀愁ってこういうことを言うのだと思います。
    ママンの盗聴技術はぐんを抜いているので、
    北朝鮮の工作員のような仕事が、日本にもあれば、かなり活躍できると思います。

  2. 番号を教えてないのに電話がかかってくるなんてさすが勝山さんのお母様ですね。
    「ひきこもりカレンダー」を読んだときも思いましたが、お母様は深い意味で最高におもしろい人だと思います。

  3. 実は僕の家にも、オレオレテレフォンサービスからかかってきたようです。
    でも、そこはひきこもりの特権、当人からの電話と言う事でしたが、その当人はその時もちろん家にいました。
    こんなもんです。
    全くオレオレサービスを受ける資格なんてありあません。
    親が電話を受ける、子機を子供に渡しに来る、子供の電話の内容を聞き耳を立てる(どんなお友達とあそんでいるのかなぁ~と言う具合です)、これが一般的な家族なんだなぁと幸せをかみ締める瞬間・・・とごくごく普通の30代周辺の子供を持つ親の幸せ家族システムというものです。
    このシステムは、まるでコピーされたように、30代の親は同じ思考と行動をしているのは、面白いというか、驚きの限りです。
    このシステムの影響で、子供に悪影響を及ぼしたと言う事は、言うまでもありません。
    まるで、鯨が群れで砂浜に乗り上げてしまって、集団で身動きができない状態のそれに近いかもしれません。
    幸せ家族システム・・・このようなもので、多くの30代子供を持つ親が、子育て方法利益追求集団から、子育ての上で様々な詐欺にあったということは、もしかすると直接的詐欺というオレオレサービスよりも、間接的詐欺の、集団洗脳幸せ家族システムの方が、被害にあったと感じさせない部分で、はるか上を行っていると思います。

  4. 『詐欺にひっかかる資格がない』
    面白い言い回しですね。そして同時にちょっと切ない気分になるのは自分だけでしょうか。
    自分の場合、携帯は母親に「仕事するようになれば必要になるから」という理由で、持ちたくないのに無理やり持たされました。そこで「要らない」と強く言えない自分が心底嫌です……。(でもそのお陰で、パソコンをしない自分がこのブログを覗きに来られるので、全く無駄というわけでもないんですが)携帯以外でも、これまで母親の思い通りに自分の環境を『操作』されたことは何度もあります。言いたいことを言えない性格は、残酷です。
    それはさておき、今現在の自分の携帯……登録がしてあるのは、見事に家族と近所に住む伯母の携帯番号だけですね(失笑)。
    どうでもいい私事で失礼しました。

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