久しぶりにパソコン博士をしてきた【前編】

 腹が減りすぎて動けないと、勝山おじさんがホットカーペットの上で横になっていると、甥っ子次男坊(5歳)が蹴りをくらわすのです。キック&キック。やられっぱなしはいけないと、ぐいっと手を伸ばし、次男坊のあごをつかもうとする。

 「やめろ、やめろ」と言って逃げまわる次男坊。そしてまたおじさん横になる、キックされる、あごをつかもうとする、やめろやめろ。これを三回くらい繰り返したあと、もう我慢ならんと甥っ子次男坊を捕まえて、あごをぐいっとつかんでやりました。「討ち取ったりーー」。おじさん、してやったりです。

 すると、どうでしょう。甥っ子次男坊(5歳)が号泣するじゃないですか。あごつかまれたくらいで泣くなんて、お前散々おじさんを蹴ったくせに、と特に気にもせず横になってナイターを見ていたのですが、次男坊はちっとも泣き止みません。

 おやおや、どうしたんだろう。なんでそんなに泣いているか聞いてみましたが、なおいっそう大きな声で泣くばかりなのです。次男坊の心をよく知る男、甥っ子長男坊(8歳)に、なぜ泣いているか尋ねると、「あごをつかんだからだよ」と言われました。当たり前のことを聞くな、あごつかまれたら、そりゃ泣くよといった口ぶりです。それが大人のやることかという兄貴の叱咤を感じます。

 私は謝罪しました。お前さんのあごをつかんでゴメンよと。でも次男坊の泣きは強まるばかり。老爺ダディが登場して、次男坊を慰め、ようやく泣き止みました。そしてね、泣きはらした真っ赤な目でおじさんを睨むのです。怒りと憎しみ。お前だけは許さないぞ、なにしろ俺のあごをつかんだのだからな、そんな目でずっと睨んでいるのです。いたたまれなくなって、自分の部屋に一時引っ込むと、作業所の友人からメールが届いていました。

 へるぷみーパソコン博士、プリンターがつながらない。そんな内容のメールでした。パソコンとプリンターをつなぐことが出来ないなんて、IT弱者にもほどがあるなと思いましたが、しかし買ってから二週間もたつのに一度も印刷できてないという、ほろ苦い状況を憐れみ、レンタル博士出動です。次男坊のあごをつかんだ翌日、私はパソコンとプリンターを接続するために友人宅へ向かったのです。〈続く〉

無線プリンター

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