甥っ子、泣かしました(1)

 子供は寝ている時が一番かわいいといいますが、では一番かわいくない、憎らしい時はいつか。たぶん、ふてくされている時なんじゃないかな。

 甥っ子とまわり将棋をしていました。甥っ子は途中で勝ち目がなくなると、ぶんむくれ、ふてくされ、投げやりに将棋の駒を投げるようになります。降参か、やめるか、と聞いても、嫌だという。憎々しげな、性根の腐った小学生阿修羅フェイスでまわり将棋をする。するといっても事実上やっているのは、対戦相手のおじさんだけで、甥っ子は自分の番には、駒をぶん投げてそれでおしまいです。

 かわいげのなさも相当なものですな。これはいかん、こんな腐れ根性のひねくれっぷりが続くと将来、ガリ勉経由でひきこもりになる。ふてくされこそ、ひきこもりの”芽”というもの、おじさんは本腰入れて甥っ子との遊びに力を注ぎ、甥っ子が学校刑務所であびた負のオーラを洗い流してやろうと決心しました。長男坊ととことん遊ぶぞ、と。

 そう決心したものの、その後、おじさんは風邪を引き、寝てばかりです。弱々しくて情けないジジイとして甥っ子長男坊からの評価は下がる一方です。「なんだまた風邪か、つまんねぇーの」というのです。

 そのころ甥っ子次男坊は……。<続く>

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コメント

  1. 子供は、手加減されることを嫌がりますからねえ。
    本気を出さないと怒られるんです。

  2. 俺もこどものころ将棋やボードゲームでむくれた経験があります。
    でも大人が手加減してもダメなのでしょう?

  3. 私も甥っ子にかつての自分をかさねあわせて、心を痛めました。
    「世の中、勉強さへできればそれでいい」と心がねじくれないよう、見守りたいと思います。

  4. 今回の記事を読んで、ババ抜きで負け続けて悔し泣きしたり、草野球で大差がついた時に片手でバット振ったりしてた自分を思い出しました。そして、また名人の名言が出ましたので覚えておきます。『ガリ勉経由引きこもり行き』と。まるで路線バス♪

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