瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(5)

 「今は史上最大の不景気らしいですが、今から80年位前にも同じような不景気がありました」寂聴先生はおっしゃいました。世界恐慌です。株価暴落、企業倒産と本当に酷かった。当時、ぱーぷる寂聴は小学校に行く前の子供でしたが、この大不況のことをはっきり覚えているというのです。

 寂聴ダディーは腕のいい指物職人でした。指物とは釘を使わないで作る箪笥やイスなどの木製家具のことです。当時は大きな家に住み、弟子が5人ほど住み込みで働いていました。その生活を襲った大恐慌。人のいい寂聴ダディーは友人の連帯保証人になっていて、多額の借金を背負うことになります。弟子を全員解雇、家を売り払い、家族は小さい家に引っ越すことになりました。当時4歳だった寂聴少女はこの出来事をはっきり覚えているのです。

 大不況でお金がないときに、職人の作った高級な指物を買う人もいません。どんどん貧乏になっていく。そんな80年前の不景気日本で流行ったのが「小鳥」でした。家で小鳥飼うのが流行ったのです。

 寂聴が流行りもののケータイ小説に目をつけたのと同じ感覚で、寂聴ダディーも流行りものの小鳥で一儲けを企てます。私もインコを飼ったことのあるので分かるのですが、餌をやろうと鳥籠の扉を開けるわずか瞬間を狙って、小鳥が逃げる。部屋の中をばたばた飛び回るインコを捕まえるのに、苦労した思い出がある。手先の器用な寂聴ダディーは、指物職人の技をいかし、餌をやる時に小鳥が逃げない鳥籠(!)というのを発明する。これが大ヒット、すごく売れた。<続く>戦争反対


この記事へのコメント

  1. 親子の血はホンモノですね、
    寂聴先生は性格が父親似なんです。
    職人の時は、真面目だったようですが、
    山師てきなところもあったのですな。
    職人のイメージからは遠い
    稼ぎ上手なところは、尼僧、作家をなのりながら
    がっちょり稼いでいる寂聴先生に重なります。

  2. いや、【金】に対して常に“稼ぐ”というベクトルが揺らがない点はサスガです。

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