模索舎にlove寂聴を納品

 love寂聴の第1号と第2号を合わせて13冊、模索舎に納品してきました。ミニコミの聖地、模索舎にあのようzineを商品として納品したのです。コピーをホチキスで止めたようなジンはたいがいフリーペーパーとするのが普通で、私のようにお布施を20円要求するのは珍しいのです。正直な話、商売のじゃまでしょ、駄菓子屋じゃないんだから。

 ミニコミの世界の住人にどうしてもなりたかったのです。アンダーグランドな感じがするじゃないですか。ミニコミにしろ、zineにしろ買うだけでなく、自分で作って売ることによって面白さが倍増する。恥ずかしさをこらえてこそ、楽しさも出てくるわけです。有料のzineで最低ランクですので、納品には勇気がいりました。

 模索者の書店員さんは、ぶっきらぼうで、とっつきにくそうに見えるけど、あれは「ただ気が弱いだけ」という情報を仕入れていましたので、気の弱い善男子ならlove寂聴も受け入れてくれるはずと、自分を励まして模索者のある新宿2丁目まで行ったのです。オカマの聖地でもありますね。

 審査なし、即オッケイ、簡単な手続き。慈悲にあふれたお店でした。こんなに優しいのなら、もっと早く納品しておけば良かった。その日は野宿野郎の著者の、かとうちあきさん著『野宿入門』の出版記念イベントの日だったのでそのまま残ってイベントに参加しました。ゆるいイベントだと承知していましたが、予想を遥かにうわまわるゆるさでした。開始時間に始まらないのは当たり前、誰一人も文句をいう人もいません。野宿野郎たちの器の大きさをみせつけられました。

 イベントは、店内で本を購入し、サインをしてもらう、野宿占いというおみくじをひく、でひと区切り。著者のかとうさんがかわいらしい女性であることにまず驚きました。表紙の、野宿とホームレスの境界線ギリギリ感あふれる男子ではないのです。私のような、にわか野宿野郎はびっくり仰天です。さっぱりとした気持ちのよいかたで、カリスマ性あり、野宿男子の人気を一身に集めていました。自ら買出しに行き、来てくれた人にビールと柿の種をふるまう、そのままゆるーい雑談です。オルタナティブなイベントですなあ。20人くらいいて店内には収まらないので、店の外、歩道での交流です。

 ゆるーい雑談だけで2時間たっぷりイベントが続く。素晴らしい。私はこの隙に、納品したlove寂聴を野宿野郎ファンのみなさんにアピールしたり、押し売ったりしていました。反則技ですが、勝山商事の営業マンですから、ついついやってしまいした、完売です。手作り、Do it Yourselfなよいイベントでした。ひきこもりブッダ巡礼ツアーも、このようなゆるーいイベントの良さを取り入れていきたい。おおいに参考になりました。

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コメント

  1. すべての出版社が東京、それも神田あたりに集結しています。
    本も好きですし、伊集院光のラジオも好きですよ。
    ニンニクくらいで来ないとは乙女ですなあ。
    結局のところ模索舎に在庫はありません。全部あの場で売ってしまいました。
    優しい人たちばかりですねえ。

  2. ぐー、うらやましいです!
    しかしあの日は穴という穴からニンニク臭が立ち上り、さながら殺人マシーンのていでしたので諦めたのでした…。
    模索舎さんには結局のところ、love寂聴の在庫はないのでしょうか…??友人にも紹介したいのですが。

  3. 東京はすべからく出版の聖地ですね。千代田区神田にある出版社の数は、それこそ「数知れず」だと言いますが。一度、見てみたかったですな。
    (4年間、東京に住んでいたのですが、神田は通過駅で、降りたことはありませんでした。新宿には、行ったことがありますが・・・)
    しかし、勝山営業部長は、本当に文章の才覚がおありですね。
    私など、まともな文章を打つためには、何度も自分で校訂せねばならないくらいですが。
    やはり、本が好きなことが、文章力のアップに繋がっているのでしょうか?

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