ママン帰る

 要介護5寝たきり老婆ママンが退院して家に戻ってきました。てっきり入院経由で特養老人ホームに入るものと思っていたのですが、当たり前のようにするっと帰ってきました。

 ママンが入院した直後はおたけびが恋しくなり、ママンロスになっていたのですが、静かな日々が続き、夜もぐっすり眠っているうちに、家に寝たきり要介護5の老婆がいたことなぞ、すっかり忘れておりました。

 でもそれも昔のこと。耳をすますと聞こえてきます。すまさなくても聞こえてきます。あはああぁはがぁぁぁーーー。があるがあるらーうるららーー。おたけびの日々が帰ってきました。老婆ママンの退院のお祝いに、本棚の文庫からポエムをひとつ、引用いたしましょう。

風にのるママン

狂つたママンは黙らない
ただダディーといがみあう
コンクリートの壁つづき
しめった風のむこうがわ
ナメクジ団地の丘はけむる

ママンは顔はぷうとふくらませ
目をぴんとつりあげる
かいやいいやはああはのおたけび
又うごおふごうのおたけび

わたしは目をそむけ ゆっくり
ママンのもとをはなれる

牛頭馬頭がママンの友だち
もう人間であることをやめたママンに
昼間でも暗い団地の天空は 絶好の遊歩場

ママンおたけぶ


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