2009-04

よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(6)

勢いに乗った寂聴ダディーは、今の時代はこれだと、小鳥問屋を始めます。たちまち狭い家の中が仕入れた小鳥で一杯になり、大変に困ったと寂聴先生はおっしゃいました。指物職人が小鳥屋なんかを始めてうまくいくのだろうかと思うでしょうが、これがうまくいったそうです。小鳥ブームに乗り、毎朝家の前でおこなわれるセリはたいそう盛り上がった。  たくさん人が集まれば、セリの値段が上がりもっと儲かる。そう考えて寂聴ダディーが購入したのが、当時は珍しかった九官鳥、物まね鳥として有名ですね、言葉だけでなく声の音色までも真似します。この九官鳥に言葉を覚えさせた。「おはよー」「いらっしゃいませ」と話すようにすると、たちまち世...
よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(5)

「今は史上最大の不景気らしいですが、今から80年位前にも同じような不景気がありました」寂聴先生はおっしゃいました。世界恐慌です。株価暴落、企業倒産と本当に酷かった。当時、ぱーぷる寂聴は小学校に行く前の子供でしたが、この大不況のことをはっきり覚えているというのです。  寂聴ダディーは腕のいい指物職人でした。指物とは釘を使わないで作る箪笥やイスなどの木製家具のことです。当時は大きな家に住み、弟子が5人ほど住み込みで働いていました。その生活を襲った大恐慌。人のいい寂聴ダディーは友人の連帯保証人になっていて、多額の借金を背負うことになります。弟子を全員解雇、家を売り払い、家族は小さい家に引っ越すことに...
よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(4)

「でもね…、これは一銭も入ってこないのよ!」寂聴先生は2回ほど連呼なされました。煩悩万歳、京都から参上した我利我利亡者が姿をあらわしました。  今まで自分が書いた小説のようにはいかない、そう言って演台の下から書籍化されたぱーぷる著あしたの虹をすっと取り出し、表紙をぽこんと叩きました。本は印税がたくさん入ってくるが、ケータイ小説はダウンロード数が567万もあるのに一銭も入ってこない。自信作であり、ケータイサイトで人気なのに、肝心の本は売れず、期待していた映画化のお誘いもちっともこない。寂聴先生はかなりご不満のようです。  ぱーぷるのスタンダップコメディーは、舌好調という表現がぴたりとあてはまる面...
よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(3)

寂聴先生は老いについての一番の問題は感動が鈍くなることだと言いました。例えば桜が咲くと、前は綺麗だな、美しいなと感じたものですが、86歳になると「ちっ、また咲いたか」と思うようになる。いい男が寂庵に訪ねてきてもちっとも感動しない、元シブがき隊のモックンが来てくれた時も感動しなかった。「情けないことですよ、自分が許せない。私は半分死んだ!」、寂聴先生はおっしゃいました。  感動を取り戻そう。わくわくどきどきの元はどこにあるのか、それは“秘密”にあります。「私は何でも書いちゃうでしょ、小説ストリップをずっとやってきました、スッパンパンで大股ひらいてもね、人は感動してくれませんよ、見せてくれないと、...
よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(2)

時間が押した都合で、寂聴先生の講演が10分ほど短縮されることになりました。そのせいでしょうか、失った時間を取り戻すかのように、大変に早口です。ラップMC寂聴。出家して30年、生臭いとはいえ信者相手に場数を踏んできた、その力をいかんなく発揮し、ユーモアをまじえよどみなく一気に語っていきます。  どうして、ぱーぷること瀬戸内寂聴がケータイ小説に手を出したか、それは老いが原因だといいます。前の年、つまり85歳までは寂聴先生は「元気ぴんぴん」していたのですが、86歳になったとたんひざが痛くなり、酔っ払っては前後不覚になって階段から落ちたりするようになったそうです。「心は成熟しても肉体は衰えていくもので...
よもやま話

瀬戸内寂聴講演会 ケータイ小説を大いに語る(1)

瀬戸内寂聴先生の講演会に行ってきました。愛されることより、愛することのほうが大事と、寂聴先生も申しております、私もとうとう行くところまでいってしまいました。4月3日金曜日、平日の昼間におこなわれた「ケータイの世界に入って見えたこと」と題する講演会、抽選で1千名入場無料という、ぱーぷるが見れる上にただというひきこもりのための講演会、ネットで応募して待つこと2週間、ついに当選のはがきが届きました。  東京・浜松町でおこなわれた講演会、会場はすいていて、千人は入れるところに半分より少し多いくらい、600人くらいでしょうか、前半分がだいたい埋まっていて後ろ半分は好きな席に座り放題という感じです。前のほ...
よもやま話

国宝 阿修羅展

阿修羅を見に上野の東京国立博物館まで行って来ました。やあ、かつちゃんと阿修羅も快く僕を向かい入れてくれました。釈迦十大弟子も六人、上野に来ていました。舎利弗、目連、羅ご羅、富楼那、迦旃延、須菩提がいた。イケメン仏弟子、阿難がいないのがちょっと残念ですね。弟子は見た目、ほとんどキャラがかぶっており、ブッタ好きの僕が見てすら、全員同じ人のように見えます。  ひきこもって暇なのですから平日の昼間を狙って見に行くべきです。どうせ辞めるんでしょその仕事、働いている場合じゃない。阿修羅はやっぱりスーパースターです、入場待ち30分でした。阿修羅を生で、しかもガラスの仕切りなしで見られるのです。ブッダパワーが...
ひきこもり

ひきライフ・ドット・コム

ブログを教えて欲しいと言われて、鳴かず飛ばず働かずもしくは勝山実で検索してほしいと答えるのだが、鳴かず飛ばずだなお前は、と毎回自分を叱責しているような気分になる。○○ドットコム、とスパッと答えられたらどんなに気持ちがいいだろう、そんな空想をずっとしてまいりました。  hikilife.com←こう打ち込んでみてください。ばーんとこのブログが表示されるはずです。kokoro.hikilife.com←と打ち込めば元祖ホームページ、ココロコロコロにジャンプします。URL転送サービスを導入しました。一年で3,360円です、高いですか、いかがなものでしょうか。  サーバーを立ててどうこうしたわけではあ...
ひきこもり

ひきこもりポンチ古書店(下)

古本の仕入れ在庫を溜め込めば、儲けが出る前に、家の床が抜ける。木造なら一発。コンクリートだってヤバいですよ。純粋に本だけ置く部屋が持てる人でなければ、日本の住宅では危険。  せどりはひきこもり及びニートにすでに大人気で新規に入り込む余地はない、というかすでにネットで古本は値崩れしている。絶版、品切れ本がネットで安く手に入る。せどりから撤退する人が多く、在庫処分の値下げのせいで相場が下がったのだ。ブックオフに持っていっても値段がつかないものばかりだから、安値でもネットで売るしかない、素人セドラーにとっては撤退こそ命がけである。  世の中には1円でも売れない本が一杯ある。本の価値は時とともに基本的...
ひきこもり

ひきこもりポンチ古書店(上)

やってはいけない、そう言ってアフィリエイトの愚かさを説いてきた。さすがにアフィリエイトで月収二十万円稼ぐなどと、鼻息荒く書いていたひきこもりブログも更新が途絶えがちになり、そのほとんどがNot Found化している。  みっともない広告だらけのブログがなくなってホッと安心している暇もなく、寒いひきこもりたちがかってに敗者復活戦を始めている。「せどり」である。せどりとは本やCD、ゲームなどを古本屋で買ってきて、それをネットなどで更に高い値段をつけて販売し、お金を稼ぐことである。  ブックオフで安く買ってきて、それをアマゾンのマーケットプレイス(古本販売)やヤフーオークションで高値で売るのが一般的...